どんなに皆が泣いても、感動しても、全米が涙をこぼしたものを見ても、私の涙が出ることはなかった。それはもっと他に感動できるものがあって、このときのために取っておいたんだと思えるようなものがあるような気がして。でも、私の涙が出るのは結局自分の痛さや苦しみに耐えられなかった時のみだった。何故か悔しかった。自分がその自身の苦しみに対してしか、涙を流せないことに。映画を見るたびに、感動はしてるんだと弁明している自分がどうにも惨めに思えてきて、それがなんだか苦しくて。その苦しさで泣くのも、なんだか苦しくて。もうどこで泣けばいいのか。わかんなくなった。自分の涙なのに、自分の感情なのに使い所を何故か探し続けている気がしてしょうがなかった。なのに、何にでも涙を流さないキャラがなんかかっこいい気がして、アホくさい。なんて愚かなんだろう。映画館であくびすらも我慢して得たものの中身がとってもスカスカだった。
でもやめることはできなかった。なぜなら自分を消してしまう気がして。もちろん自分がそれのみで出来ているわけではないと、頭では理解していたけど、どうにも何かを壊されてしまう気がして。
すごく怖かった。決して中身がスカスカでも私は、大切に持っているべきだと、私は無意識の中で思っていたと感じた。決して満足はできない心のタンクが、少しヒビの入ったガラスのコップがなんだかとても愛おしかった。