鵜山 豊後守 定水 柊 総一朗さん、拙作『煙色の蒼天を旅して』のレビューをありがとうございます。まだ一話目にも関わらず・・・!
長い間無反応で申し訳ありません! 忙しかったんです(言い訳)。
用語というか固有名詞には、連邦(ウレスラル)の前身であるキビジュ帝国の公用語、キビジュ語(史実のカザフ語をベースに周囲のモンゴル系・トルコ系言語、ペルシャ語などを混成)を使用しています。
わかりにくくてすみません・・・。
「連邦」はこの国の正式名称です(正確には秋津語正式名称)。「ウレスラル(Uleslar)」が現地呼称で、旧帝国(≒史実のモンゴル帝国)の分国「ウルス」が語源になっているキビジュ語「ウレス(Ules/邦)」の複数形です。隣国イェンツェ=カルマール同盟の公用語、イェンツェ正書語では"Uleslar Bund(ウレスラル連邦)"と呼ばれます。(つまり「連邦連邦」の意。)
そのほか色々固有名詞がありますが、日本語で読んで頂いて結構です。(作中の)別の言語の固有名詞もあるかもですが、同様に。
せっかくなので注釈をいくつか。
・「航空艦艇・航空艇」と「航空機」
航空艇を含む航空艦艇は、作中の産業革命後比較的すぐに発見された「浮遊ガス」を利用して飛ぶ乗り物です。鉄道と組み合わせて、近代国家の大動脈として機能してきました。
そして、今作の中心に据えられる航空機は、航空艦艇とは全くの別物で、翼で得られる揚力を利用して飛びます。航空艦艇の存在によって史実よりも十数年、発明が遅れました。クークス大州戦争(≒史実の第一次大戦)では用いられず、連邦暦2116年(≒西暦1939年)にして、やっと技術大国である連邦でも最初の戦闘機部隊が試験配備されました。この時の航空機はまだ布張りの複葉機です。
この連邦軍最初の戦闘機部隊が、ルフィナが所属する編隊ですね。
・連邦軍の階級制度
気付かれたかどうか分かりませんが、元帥であるヨアン以外は、軍隊の一般的な階級(少尉とか大佐とか)で呼ばれていません。対して、ルフィナの父は「帝国軍大佐」と書いてあります。キビジュ帝国ではこの階級制度を使っていましたが、連邦軍は採用せず、ルフィナは「中隊長」と呼ばれています。
これはなぜか。実は、今は亡きキビジュ帝国の軍隊は二つありました。この地で数千年続いてきた遊牧国家の伝統的な軍隊と、産業革命後のクークス諸国(=史実のヨーロッパ諸国)に倣って導入した「近代軍(アルム)」です。ルフィナの父アンテンは、この近代軍に所属していました。ほぼ全ての航空艦艇も近代軍の指揮下にありました。
クークス諸国の軍隊を模倣した帝国近代軍では、その階級制度も受け継ぎました。なのでアンテンは「大佐」と呼ばれます。しかし、キビジュ革命後で誕生した連邦はクークス諸国の模倣をやめ、伝統的な遊牧国家を肯定し、バージョンアップした独自路線をとりました。この一環として、連邦軍は近代的な装備を備えているものの、その階級制度はクークス諸国とは異なります。
古代中国の「千人将」や古代ローマの「百人隊長」みたいなものです。
他にも色々色々・・・と設定はあるのですが、長くなるのでこの辺で。