猛暑日が4日続いて無意識に日焼けの毛脛を搔きむしる
整える部分もないのに手洗いに立つ度やさしく髪なでつけ
る
綺麗な水は旨いのかボトル列べて因果関係考える
暇だから歌でも詠もうと思いきや思う間もなくもう舟を漕ぐ
収集日って何時だっけ段ボールの住所シールを夜中に剥がす
収集品で塞がれた絨毯の紫色の柄忘れたり
蚊の音も蝉の声さえしない夏妻が呟くこの世の終わり
過ぎた日の思い出一つまた一つ手帳の輪から静かに外す
朝カフェにボサノバ流る背を正し本読む女子が妙に気にかかり
毎日の暇を伸び伸び楽しんでやがては退屈する定年後