いつか夢見たあの世界はとにかくシンプルな技名を叫ばないバトルを心掛けています。
外連味がなくて退屈な描写になりがちですが、ここには意味があります。
理由は相手が人間ではなく見栄を張っても仕方のないマモノだからであり、魔術師や魔法使いの技術の研鑽は道ではなくマモノを倒すための術《すべ》であるため。
発動においての合図として技名を言うようなところは、徹底した訓練で、戦闘規範に落とし込み合図を省略し効率化する。
奇襲性をもって街中に現れ、ほぼゲリラ戦を仕掛けてくるマモノに対抗するためシステマチックな効率化を突き詰めていった世界観となっています。
ゆえにハンブルゲン異変編における最終局面で出た、速水海都が放った一撃は特別なのです。
幻が走ると書いて幻走《げんそう》、彼自身の技量と、彼が握る唯逸《ゆいいつ》という刀が持つヒミツ双方が合わさることで生み出された剣技。
なので、私の書く〈いつか夢見たあの世界〉において技名が出る場合は、それは各々が持つ秘術であり、本当の意味での切り札ということです。