作品は最終章へ。
こんばんは。仕事が忙しくて執筆だけでマジギリです。ヌルちゃんです!
今回は『Witch & Dead』の主人公、アリアについて。
彼女を作るとき、一つだけ決めていたことがあります。「いい子」にしない、ということ。これは私の創作信条でもあります。
アリアは優しい。助けたいと思っている。正しくありたいと願っている。
でも、その正しさが人を傷つけます。
「私は、外の世界で生きていける貴方達とは違うの」
第二章末でセレニティ・ユニオンという管理都市に着いたとき、彼女は仲間たちと引き離されます。
アリアとアベルだけが清潔な「市民区」に配置され、魔女は軍部へ、コールは労働区へ。
その直前、アリアが言った言葉がこれです。
善意だった。「あなたたちは強い、私は弱い」という、慰めのつもりの理屈。でも魔女も、コールも、アベルも──その一言で、静かに傷つきました。
アリアの物語は、「守られる弱者」から「反逆する強者」への単純な成長譚ではありません。もっと残酷です。
彼女は成長するたびに、何かを喪います。
ユニオンの欺瞞を暴き、ログを市民に公開。その代償は、アベルとの断絶でした。
「逃げよう」と伸ばした手に、アベルは言います。
「俺を連れていくな」
彼女の正義が、一人の少年のささやかな幸福を砕きました。悪意はありません。だからこそ救いがない。
それでも、彼女は書き続けます。
この作品のアリアには「記述する者」という核を持たせています。暴力でなく言葉で戦う、記録することで世界に抗う性質。ログの公開も、誰かへの手紙も、その根は全部ここにあります。
「書くことは祈りだ」
ラストまで読み終えた読者さんにそう思っていただけるよう、頑張ります。