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春景梢

  • @Kaerume
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Kozue_harukage
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  • 5日前

    『恨むより強く抱きしめて』一話(先行公開)

    百合小説コンテストに向けて書いている姉妹百合の一話の最初の方を公開しておきます(ネタ被りが怖い)。やってますアピールでもある。 —————————————  美波が数か月ぶりに家に帰ってくると聞いて私は文字通り跳ねて喜んだ。両足を揃えて跳んだり、片足だけで跳んだり、空中でくるっと回ったりした。ソファでビールを飲んでいるお母さんは白い目で見てくるけど、まったく気にならなかった。もしも今が夜じゃなかったら歌の一つか二つ歌っていたと思うくらいには嬉しさが溢れ出している。 「火夏。やめなさい、十九歳児」 「やだ、ジャンプしたい。お母さんは美波が帰ってくるの嬉しくないの?」  居間の天井のあらゆる場所とハイタッチしながら訊ねる。シーリングライトの隣、テレビの前、美波の写真がたくさん飾られた棚の上。天井の壁紙は、それがどこであれ、ざらざらしていた。着地する時は膝を軽く曲げて、衝撃をちゃんと吸収する。音はほとんど立てない。中学生の時まで通っていたダンススクールの教えはまだ私の中で生きている。 「そりゃあ嬉しいよ。誰かさんと違ってほぼ一人暮らししている立派な娘が帰ってくるんだからね」 「舐めないで。私だって時期が来れば一人暮らしするし」 「あんた、もうすぐ大学二年生になるけど時期はいつ頃になりそう?」 「……もうちょい」  私は適当な言葉で会話を打ち切った。跳ぶのをやめて冷たいフローリングに仰向けで寝っ転がる。テレビは上下逆さにコマーシャルを映す。はるか遠くでお母さんがもう一本ビールを開ける音がした。 「いつになってもいいけど、真剣に考えなさい。いつまでも子供のままじゃいられないんだから」 「はーい」  空っぽな声は天井にまでも届かず、湿気った花火のように中空で消えた。  一人暮らし。別に家事は嫌いじゃない、むしろ得意だ。特に料理。小さい頃はお母さんもお父さんも仕事で忙しかったから今更一人になるのが心細いとは思わない。大学は実家から少し距離があるからもっと近い場所に引っ越ししたいという気持ちはある。でも実際一人暮らしをしている自分を考えると妙な胸騒ぎがした。橋の下に捨てた子犬の鳴き声にも似た、前に進ませることを躊躇わせる胸騒ぎ。我が家で飼ったことがあるのは夏祭りで買った金魚だけだから犬のことなんてよく知らないけど。  大きくため息を吐く。私は考えたくないことを頭の片隅に蹴り飛ばした。もうすぐコマーシャルが明けてニュース番組が放送されるから、テレビの画面に意識を集中させる。時間帯的に次は芸能関係のニュースのはず。  コマーシャルが終わり、スタジオにいるアナウンサーや専門家が映し出される。和やかな雰囲気の中、一言二言雑談した後すぐにトップバッターのニュースが読み上げられた。 『それでは最初のニュースです。大人気アイドルグループ、シュガーイモータルがデビュー1周年を記念して日本武道館で単独ライブを実施しました』  映像が切り替わって、スピーカーから大歓声が響いた。画面を埋め尽くすほどの七色のペンライトが蠟燭の灯火のように揺れて真っ暗なステージを取り囲んでいる。それからアップテンポな音楽が流れ始めて、サーチライトがステージ上に太陽よりも太陽らしい光を投げかけた。派手な衣装が火花を散らして瞬く。アイドル達は洗練された華麗な動きでフォーメーションを変化させる。  リーダーが一段高い場所に立つと、すべてが無音に包まれた。一呼吸。 『行くぞ武道館!!!』  彼女の掛け声とともに、爆発のように音楽が再び動き出す。ペンライトは燃え広がるように赤色に変化して歓声はより一層大きくなった。現場の熱狂がふつふつと体に沸き上がるのを感じる。コールを叫びたがる本能を抑えつけて、私はテレビの前に移動して正座した。 「私たちカメラに映ってるかな?」 「最前列だったから、もしかしたらね。そんなことより画面から離れなさい。お母さん見れないでしょ」 「うちわ、もっと派手な感じにしてたら分かりやすかったかな」  ライブのダイジェスト映像は、嵐に飛ばされる街のように切り替わる。アイドルを、ファンを、ステージを次々に映す。  やがて、会場の光が青だけになった。巨大な海獣が水面を震わせるように、ペンライトが一体感を保ちながら左右に動く。私の一番好きな曲『Wherever』が流れる。穏やかな歌声はピアノとともに徐々に早く、激しくなっていく。カメラはステージ中央をアップで捉える。  リーダーに代わって、一人の少女がセンターに立っていた。照明の演出と、ペンライトと、ファンからの期待を受けて、少女は誰よりも青く輝いて踊る。ターンの度に長い髪が空中に弧を描き、氷を削ったような瞳は情熱的に潤んでいる。伸ばした手は虚空に浮かぶ観客の心を握りしめる。  共川美波……私の妹はステージで美しく命を削っていた。あの日、二人で夢見たステージで。
  • 5日前

    『幼馴染から離れられない』24話更新しました

     大体一か月ぶりでしょうか。『幼馴染から離れられない』の最新話を更新しました。江の島デート編第二話、春瑠と奈央がイチャイチャしながら島の頂上を目指します。  ありえないくらい遅くなって申し訳ないです……。百合小説コンテスト向けに新作を書こうと色々試行錯誤していたら一か月が経過していました。その間にアイデアを出してはボツにして、という地獄を繰り返していました。多分三つか四つくらいかな。毎回、アイデアの原型を思いついた時「これはいける!」と思うんですけど、いざ詳細な部分を詰めて一話を書こうとすると筆が急ブレーキ踏むんですよね……。  自分の中で「理想的な一話を書けなかったらその作品はボツにする」というルールを作っているので、一話が書けないと準備したプロットやキャラ設定が無駄になって気持ちが死ぬほど萎えます。(虚無に送られた先輩後輩百合と吸血鬼百合と姉妹百合たちに合掌)  何とか新しい姉妹百合で納得できる一話を書けたので、『幼馴染から離れられない』に帰ってくることができました。姉妹百合の方は最終話まで書いて完成させたら公開する予定です。  なお、予定は事前告知なしで変更される場合があります。以上、春景梢でした。
  • 6月3日

    百合小説コンテストに出たい!

    春景梢です。タイトルの通り、今月末くらいから始まる百合小説コンテストに出たいと強く願っていて、今はそのために新しい作品のプロットを練っています。 何も書けなかったら『幼馴染から離れられない』を適当に出そうと思っているんですけど、コンテストは十万文字まででこの作品は既に6、7万文字くらいまで書かれているので何も考えずに更新していたら文字数制限に引っ掛かりそうなんですよね。まあ、更新していないんですけど。 元々書こうと思っていた一目ぼれ百合が諸事情で頓挫したので、発狂しながら色々考えています。大学生百合の良い感じの一話が書けたんですけど、そっちは酒、女、って感じの作風で今回のコンテストに合ってなさそうなのでカクヨムコンまで寝かせておきます。 江の島観光してきたので、時間と精神に余裕ができれば『幼馴染が離れられない』も問題なく更新できると思います。それでは。
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  • 5月28日

    カクヨムコン11ダメだった話

     春景梢です。タイトルの通り、カクヨムコンに出していた『オキシトシン?』が落選してました。5日で書き上げた短編の処女作が中間突破しただけでも嬉しかったんですけど、悔しいものは悔しいですね。せめてもっと多くの人に読んでもらえるようなタイトルにしておけば良かったなぁとか、反省が尽きません(私はいつもタイトルを適当にしてしまう)。  とはいえいつまでもここに止まっているわけにもいかないので、前を向きます。一応次のカクヨムコンとかそこらへんの賞に向けて長編の案を練っています。一目惚れ百合を書いてみたかったので、そういう感じになるように色々考えているところです(自分のことだからマトモな作品にはならないだろうけど)。  『幼馴染から離れられない』ものんびり書いていくので、どうかよろしくお願いします。春景梢でした。 追伸:尺の都合で削った描写も追加した初期版の『オキシトシン?』をpixivに投稿する予定。
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  • 5月18日

    『幼馴染から離れられない』次回更新が遅くなりそうな話

     お疲れ様です、春景梢です。 『幼馴染から離れられない』22話『失われた銀』を公開しました。この話のタイトルはプルーストの小説『失われた時を求めて』が元ネタになっています。作中、奈央がお守りの鈴の音を聞いて古い記憶を呼び起こすシーンがいわゆるプルースト効果を参考に書かれているからです。あと奈央の真似をしてトランプマジックの練習をしたら右手の親指を痛めました。まだちょっと痛い。  さて、タイトルにもある通りまた次回更新が遅くなります。リアルが忙しいというより単純に投稿できるストックが無いうえ、これからのデートの話が長丁場で、かつ物語において重要な部分になるので慎重に書かないといけないからです。ただまあ、あくまで予定なだけなので現実にどうなるかは分かりません。2話で春瑠が奈央にキスするシーンもプロットに書いていなかったし。  とりあえず、更新が遅くなりそうというお知らせでした。メインヒロインの実体がかれこれ二か月以上出ていないことに恐怖しつつ、今回はここまで。
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  • 4月20日

    短編百合『まつ毛の長さを確かめて』を公開しました

    タイトルの通り、新しい短編を公開しました。近所に住む小学生とイチャイチャするおねロリです。もとは姉妹百合を書きたいなぁなんて考えていたんですけど、気が付くとおねロリになっていました。不思議なこともあるものだ。 おねロリは初めて書いたので、全体的に不慣れな感じが拭えないですけど楽しんでいただけたら幸いです。
  • 4月12日

    ツイッター始めました

    今はツイッターじゃなくてXって言うらしい。それはともかくアカウントを作りました。宣伝のためというか、失踪しないための鎖というか。読んだ本の感想とかを呟いたり呟かなかったりするのでフォローしてもらえると嬉しいです
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  • 3月31日

    『オキシトシン?』が中間選考突破しました

    カクヨムコン11の短編に出していた『オキシトシン?』が中間選考突破しました。読んでくださった方々には圧倒的感謝。初めて書いた短編なのでこういう形で評価していただけると本当にうれしいです(ビギナーズラックだとしても)。 これからもナメクジレベルでのんびり作品書いていくので、どうかよろしくお願いします
  • 3月25日

    短編百合『幼馴染強化月間』を公開しました

    新しい短編百合を公開しました。幼馴染の二人が夏休み中に仲を深めようと奮闘する話です。 以下反省。自分は三人称で百合は書けないですね。一人称もさして上手いわけじゃないですけど。どうも、視点がすぐにぶれる。文章を書いていると、二人の並んでいる絵を描くというより、主人公とヒロインの間をカメラを持って行ったり来たりする感じがして恐ろしく体力を使いました。そのくせいい映像が取れた(いい文章が書けた)気がしなくて怖くなる。特に最後の方。 というかたぶん、この話のアイデアが短編よりも中編向けっぽい。書き終わった後に気が付いたんですけど。いつか書き直したいです。
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  • 2月5日

    『幼馴染から離れられない』が星100超えました

    AZIZAM!春景梢です。読んでくださる皆様のおかげで、『幼馴染から離れられない』が星100超えました。 本当にありがとうございます。始めた時はまさかここまで多くの人に読んでもらえるとは想像していませんでした。 元々は王道な1対1の幼馴染百合を書こうとしていたんですが、なぜか今の妙に登場人物の多い形になりました。不思議です。 主人公が最初に「好き」と言った相手も幼馴染じゃないし、幼馴染から告白された後にデートした相手も幼馴染じゃない奇妙な話ですがこれからも読んでくださると嬉しいです。 色々な作品から影響を受けてこの物語を書いているんですが、春瑠と奈央の関係を考える際に参考にしたのはOlly Mursの“Troublemaker”です。有名な曲なので聴いたことのある人も多いと思いますが、もし無かったら是非一度聴いてみてください。それでは
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  • 2月2日

    『幼馴染から離れられない』を水曜日に更新します

    おはようございます、春景梢です。忙しさから一旦解放されたので『幼馴染から離れられない』のプロットを改めて整理していたら登場人物が多すぎて狂いそうになりました。素人がメインキャラが5人もいる話を書いちゃいけない。 それはともかく、タイトルの通りです。ありがたいことにもうすぐ星が100に届きそうだし、こういう風に宣言しておかないと自分は失踪するので宣言しておきます。 今週の!水曜日に!最新話を!更新する! これでよし。
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  • 1月24日

    短編百合『オキシトシン?』を公開しました

    AZIZAM!春景梢です。タイトルの通り短編を公開しました。女の子をハグしたい女の子の話です。全4話の予定。 一ヶ月くらい前には書き終えていたんですが、『幼馴染から離れられない』を書いていたらすっかり公開を忘れていました。 登場人物も少ないし、サクッと読めると思うので気軽に見てもらえると幸いです。 フォロー、評価も良ければお願いします。それでは。
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  • 1月12日

    感謝と細々した話

    AZIZAM!春景梢です。『幼馴染から離れられない』が1000PVと100フォローを達成していました。誠にありがとうございます。幼馴染百合書いてみたいなぁくらいの気持ちで始めたのに、想像以上に多くの人から読んでもらえて身の引き締まる思いです。(なんとなくで付けたタイトルから想像されるストーリーになっていると思えなくて戦々恐々としている) 第一章はほとんどプロローグのつもりで書いたのでストーリーが動き出すのは第二章からです。果たして主人公・梶川奈央は幼馴染から独立して学校生活を送れるのか、友人たちとどんな関係になっていくのか、全力を尽くして書くつもりなので気長に待っていただけると幸いです。 そういえば第5話で奈央が絵璃と会話している時、"shape of you"などいくつか有名な洋楽を思い浮かべるシーンがありますが、あれは奈央の趣味ではなく以前に春瑠から勧められて聞いた曲を思い出した、という設定があります。幼馴染に対して色々思うところがあるのに何やかんや染められちゃう辺り奈央はチョロ……単純ですね。 本日はここまで。質問・疑問があれば軽率にぜひ!ちゃんと答えるので!作品を評価していただけると泣いて喜びます!それでは!
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  • 1月1日

    あけおめ、ことよろ

    あけおめ、春景梢です。 厳正なる審査の結果、今年の目標は『失踪しない』に決まりました。 毎日投稿する化け物の方々(褒めてる)に比べると遅筆ですが失踪だけは!失踪だけはしないように頑張ります。更新頻度は許してください。 今年もよろしくお願いいたします
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  • 11月23日

    パソコンが消し飛んで映画を見に行った話

    先日、執筆に使っていたパソコンがお亡くなりになりました。メモだったり文章だったりが虚無のかなたに旅立ちました。このアカウントも虚無に送られかけたけどパスワードを物理のメモに書き残しておいたおかげで最悪の事態は避けることができました。過去の自分に感謝。バックアップは一応存在しているためパソコンが新しくなったら作品の更新はできるけど、それがいつになるかはわかりません。まあそんな日もある。切り替えていけ。 切り替えて劇場版わたなれを見てきました。初日に行ったんですけど混んでましたね。オンラインで予約できない子供には相当見るハードル高そう。せっかく全年齢対象なのにもったいない。ネタバレは避けますけど、私含めて観客の人が一番笑っていたのは紗月さん関係のシーンだった印象です。常識人でツッコミ系のキャラなのに暴れる時誰よりも派手なのが良いよね。あと、まいあじがヤバかったです。あの二人が絡んでいると多分マイナスイオンとか出てる。浄化されました。……白状すると、れな子と香穂ちゃんの記憶がありません。俺は映画の大半の時間何を見ていたんだ。全体を通して思ったのは自分はクインテットの髪長三人組が好きなんだな、ということです。まいあじ、まいさつ、あじさつ、最高!あとはよくわからない!!