前話で死んだという表現を使い、フェードアウトしたヘファさんが何で生きているのかという疑問があると思います。
あとついでに、何でギルガメッシュがヘファさんの心象を認識できていなかったのかなど。
そこら辺の解説をして、この話を締めさせていただきます。
まず最初に、ヘファさんの心象世界。
『|王の影《へファイスティオン》』ですが、この能力の効果としては『自分をイスカンダルとする』効果です。
そのため、イスカンダルが死んでいない限り原則ヘファさんが死ぬことはありませんし。
ヘファさんが死んでいない限り、イスカンダルが死ぬこともないです。
ですが、当然本編でイスカンダルが死にヘファさんも死んだ以上はこの心象世界にも欠陥があります。
その欠陥とは、一言で言えば『心象世界を展開すること』ですね。
心象世界の効果と、心象世界の展開は別々の意味を持ちます。
分かり易くすれば、前者は海の水であり後者は海そのもの。
心象世界の効果は心象世界そのものの一部しか引き出していない状況であり、心象世界の展開とは他者を自分ルールの世界に引きずり込むことを言います。
ヘファさんの心象世界の力、より厳密に言えば展開された心象世界で発生している事象は『死んだ王の軍の軍勢を影として召喚する』という事であり。
敵対象の魂を心象世界に強制的に徴収することで、内部で死んだ征服王の軍勢と対象との戦闘を強制させることとなります。
その上でヘファさんが死ねば、心象世界は解除されヘファさんも死ぬという訳ですね。
前話で割とあっさり死んだ『黄の盟主』、パプリオ・デザイアさんの役割は其の心象をギルガメッシュに気付かせないことであり。
同時にそれは成功したため、ギルガメッシュはヘファさんに気付かず戦闘を進めたという事です。
ちなみに、176話Deviance World Online ストーリー4『王』でレオトールが発言した「一刀にて二の首を落とすことなど容易い、たとえ直後に我が首が落とされようとも。」というのはこの心象世界を知った上での発言であり。
『|王の影《へファイスティオン》』を展開されたら勝ち目はないけど、同時或いはほぼ同時に首を落としたらどうなるか分かんないよねという脅しです。
だからこそヘファさんは足を止めなきゃいけなかったという話です、ついでにレオトールの首を切る手段が豊富過ぎてアーツによる即死などを叩き込まれた場合も不明でしたし。