いつも物語をお読みくださり、ありがとうございます。海野あかりです。
『星屑図書館』の第二作、『星のない海を帰る』をご紹介します。
今度の舞台は、港町カレドと、霧に包まれた海です。
星も岸も見えなくなった海で、船はどうすれば港へ帰れるのか。
記録係見習いの光海が届けた相談から、星の位置を記録し、航海の助けにする道具づくりが始まります。
職人の工夫を、船乗りが海の上で試してみる。思ったとおりに働くこともあれば、陸では気づかなかった問題が見つかることもある。
そんな試行錯誤の中で、星の光を写し取った記録に、誰も記録した覚えのない光が一本、見つかります。
不思議な記録を調べる楽しさと、海から戻れない人々を助けたいという切実な願い。その両方が、この物語を進めていきます。
そして、もう一つ大切に描いているのが、道具を作るイネスと、海の測量を担うアドリアンの恋です。
二人は、八年ぶりに再会した、かつての恋人同士。
仕事の相談から始まった会話に冗談が混じり、手が触れても、すぐには離したくなくなる。昔を懐かしむだけでなく、今の相手を知るほど、また好きになっていく二人です。
光海と一緒に発見に驚いたり、工房のやり取りに笑ったり、霧の向こうへ呼びかける人々とともに返事を待ったり。
海の緊張も、誰かと過ごす時間の温かさも、楽しんでいただけたら嬉しいです。
今回の海の物語は、本作からお読みいただけます。
原稿は全編執筆済み。毎週日曜・水曜・金曜に更新する予定です。
光海たちと一緒に、カレドの港から物語の海へ出かけていただけたら嬉しいです。