雪猫なえ

安　宗孝（やす　むねたか）のことが好きだ、と戸田　鞠花（とだ　まりか）が確信した3月の終わり、彼女は彼に告白した。 「好きとか、よくわかんなくて」 思わぬ返答、いや、少し、ほ…

里中　春（さとなか　はる）は高校生活への期待を胸に入学式へ向かっていた。

原瀬（はらせ）は親友・宮古（みやこ）の声で目を覚ました。目の前の親友の姿から、寄りかかっているのが赤の他人であることを悟り飛び起きると、爽やかな青年が笑顔で自分を見ていた。 様…

＊番号は振ってありますが、順番も時系列も何もないです。気になったタイトルを選んで読んでいただければ幸いです。 平々凡々な大学生・岡山桃科（おかやま　ももか）は、今日も坂を下った…

青井　一真（あおい　かずま）は、自分の趣味を公表していなかった。 高校二年生の彼の趣味は創作。学校に携帯用ミニパソコンをこっそり持ち込んでは小説を書いていた。 彼の執筆活動は至…

劣等感に苛まれた賢史（けんじ）は恋人に別れを切り出してしまう。 親友の尊（たける）にしつこく聞き出されてどう説明するか考える中で、深く自分を掘り下げていくことで見えてきた新しいも…

山田花織(やまだ　はなお)18歳。受験生。 周囲は「忙しいね」やら「大変だね」やら「頑張ってね」やら言うけれど、当の本人はピンときていない模様。 山田少年を介して見る生活は、…

受験生の正俊はクラスの中で一人陰鬱な気持ちでいた。 聞こえてくる会話は勉強のことばかりで息が詰まりそうだった。 「人を呪わば穴一つ」 彼はそう呟いた。

受験生の正俊（まさとし）は、人並みに憂鬱な毎日を送っていた。 楽しい事を堂々と出来ない退屈な日々、生きているうちにやりたいことはいっぱいあるのにそれに向かって直進できない閉塞感。…

優は突然幼馴染みの市歌(いちか)から別れを宣言された。 「大好きな人、出来たから……」 市歌の言葉に、優は動揺を隠そうとするが彼女からの宣告はあっけなく……。

「断絶」 途絶えてしまった物語。その末路とはなんだろうか。あなたは考えたことがあるだろうか。 そう。ないのだ。千切れてしまった物語は、あなたの中から消えてしまうだろう。 でも…

江戸の少女イヒメは、今日も母親に怒鳴られながら赤く長いおさげを豪快に揺らす。 幼馴染みの青年シアキを巻き込んで、そして、彼に巻き込まれて、彼女の退屈な日常は革新する。 ＊イヒ…