こんにちは、古根です。
いつも、拙作をお読み頂きありがとうございます。
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皆様のご反応が大変励みとなっております。誠にありがとうございます。
急ですが、拙作、表題の2作品の設定を語ります(ブログから持ってきました。いろいろカクヨムに集約していきたいというのもあり)。当該作品は、作中で設定を語りようがない設定になっており、こちらで語りたいと思います。
※ なお元記事は2021年なのですでに5年前……。
以下、ネタバレ設定語りです(そもそも誰もネタバレを気にしないと思いますが)。
■コンセプト
・女の子しか出てこない、シビアな展開になる心配のない、ふわふわしたゆるゆる日常系漫画のような作品を作りたい。
・一方「なぜ女の子しか出てこないのか」や「なぜシビアな展開が全くないのか」「なぜふわふわしているのか」といった部分にしっかりした理由付けをできたら面白いのではないか。
・表向きはふわふわゆるゆるした作品だけど、実は・・・というような作品が単純に好きなのでそういう話を作りたい。
・ユートピアもの、だいたいがユートピアの皮を被ったディストピアですよ、とか、ユートピアなんてないんだ不完全な世界こそが是である的な主張のものに偏重してる気がして(個人の感想です)、別に、完全な理想郷って作れるのでは?それを受け入れた前提の話って少なくない?と思ったので、既存のユートピアものへのアンチテーゼとなるような話を書いてみたい。
■世界観
天津方舟(あまつはこぶね)キャプション
「宇宙が無限に広がり続けるのなら、私たちの旅路もまた永遠に続くのだ。」
黄泉方舟(よもつはこぶね)キャプション
「私たち以外の誰もいない、私たちだけの、本当の理想郷。」
名前のない、過去にも未来にも名前を必要とすることがない宇宙船が、過去から未来永劫にわたって誰も訪れることのない、訪れようともしない宙域へ向かって、永遠に等しいほどの長い間、航行を続けている。
宇宙船に乗組員はおらず、ただ、巨大なコンピュータが幾台かと、それらのコンピュータ群を全自動で維持するのに必要なシステムと、資材と、資材を外部から取り込むための機構とが載っているのみ。
それら巨大なコンピュータ群は絶えず稼働し続け、それらの上で演算は行われ続け、コンピュータ群の中で電子的に再現された「世界」を維持し続けている。
維持は全自動で行われ、宇宙船やそれらのコンピュータ群を、それ自体を構成する資材さえ代謝できるような機構が備わっているので、宇宙船は、理論上は、宇宙それ自体が存在する限り、文字通り「永遠」に航行し続けることができる。
「世界」の中では、数万人の人々が生活しており、彼らはもともと地球で生活していた人々だったが、理由はその人の数あるが、一様にそれぞれの生を捨て、人格を電子的なデータとして抽出したうえで「理想郷」に居を移すことを選んだ人々だった。
「理想郷」とは、提唱者曰く「争いがない、悲しみも怒りも失望もない、ただ幸せのみを摂取し続けながら永遠に等しいほどの間暮らすことができる理想郷」である。
もともと理想郷を提唱したのは、自身を「あい」と名乗る、自身が名乗る名前以外は姿も性別も出自も不詳の人物だった。
あいが言うには、理想郷に移り住むためにはいくつかの条件があり、これらに合意したうえで、あいの思想に全面的に賛同する者だけが移住できるとのことだった。すなわち移住者――搭乗者には、「肉体の生を捨て、電子的な人格データとして生きる」「性別を捨てる」「欲望を捨てる」「争いをもたらすような負の感情は全て捨てる」「生前の不要な記憶は捨てる」ことに同意することが求められ、実際に、移住者は皆、性別、欲望、負の感情、不要な記憶すべてをそぎ落とされ、調整された、電子的な人格データと、その人格データへと転写された魂のみの存在となり、コンピュータ群の上で、まるで夢現の狭間のような幸せな日々をただ無為に生き続けている。
■補足
・人格のみとなった搭乗者は、生き続ける中で切り捨てたいと思った感情や感覚は各々の判断でさらに切り捨てることができる。
・搭乗者は、理想郷での生活を終えたいと思ったタイミングで、死を選ぶことができる。
・自ら死を選んだ搭乗者は、魂を消去され、自我が消失したうえで、該当の搭乗者のそれまでの振る舞いを学習したAIに置換される。そのため、ほかの搭乗者からはその人が本当にその人自身か、あるいはその人が死を選んだことにより、その人を模したAIに置き換わっているかどうか、判別できない。
・上記のように、時が経つにつれ搭乗者は自ら死を選んでいくため、搭乗者の数は減っていく。いずれ搭乗者の人数が0人になったとしても、コンピュータ群の上では何も変わらない日常が永遠に模倣され続けることになる。
・「理想郷」の中では、決まった時間の流れはなく、搭乗者同士の関わりも可能な一方、「理想郷」の中で得た新しい記憶をリプレイすることもできる。楽しかった記憶を延々リピートし続ける搭乗者もいる。記憶の中のほかの搭乗者は、その搭乗者自身が登場する場合もあるが(そのさいその搭乗者の記憶は一時的に改ざんされる)、AIで再現されることもある。記憶を再生していること自体を搭乗者自身が認識しないようにマスキングすることもできる(むしろするのが普通)。
・不要な感覚・不要な感情・不要な記憶の要否はあいが判断する。
・性別および年齢は17歳程度の少女に統一される。
・アバターの外見は搭乗者自身が17歳程度の少女に見える範囲でデザインできる。後で変えることもできる。
■キャラクター
・鉛丹(えんたん)
天津方舟の主人公。狐娘のアバターを纏う少女。
搭乗者の中でも、突出して多くの感情や感覚、記憶を『消して』おり、覚醒している時間が短い。
もとより覚醒という言葉が意味をなさない「理想郷」での生活の中でも、とりわけ夢現の狭間で刹那刹那と楽しかった日々の上澄みのみを見続けて暮らしている。
自分が「理想郷」に移住した搭乗者である記憶もすでに消しており、その自覚もない。
自分でデザインした架空の街の共有マップ内にある、神社の社務所で暮らしていて(その後「自分でデザインした」という記憶も消した)、毎日一人で境内を掃除する数時間をループしながら暮らしていたが、ある日その境内を訪れた銀目と出会い、友達になる。澄とは銀目経由で知り合う。
・銀目(ぎんめ)
黄泉方舟の主人公。黒猫娘のアバターを纏う少女。
記憶はそこそこ残しており、自分が搭乗者であることも覚えている。
アバターは自分でデザインしており、かなり気に入っている。
鉛丹の、折につけ記憶や感覚(不安な状況がもたらす反応としての感覚など)を消しがちなところに気を揉んでいる。
猫娘というキャラ付けのために、人前では「ニャ」「ニャン」という語尾を付けて話すようにしている。
定住はしておらず、鉛丹や澄と会う前は、他の搭乗者が作った共有マップを一人で旅していた。一人になりたいときは、断片的な生前の記憶から構成したマップを再生し、その中に籠る。
・澄(すみ)
鳳凰娘のアバターを纏う少女。
銀目と同じく記憶をそこそこ残しているものの、自分が搭乗者である記憶は封印していて(条件を満たすと思い出すようにしている)、この世界を当たり前のものだと思っている。
アバターは自分でデザインしたものの、なんとなく後悔しており、見た目を変えようか悩んでいたところ、鉛丹と銀目に褒められて思い直した。
自分でデザインした共有マップにある屋敷で暮らしており、書道などをしながら暮らしている。旅行が好きで、たまに一人ないし鉛丹や銀目と連れ立って、理想郷にアーカイブされている名勝地を再生し観光している。
……以上です。
天津方舟と黄泉方舟は、息抜きで引き続きたまに書いていく予定。
もちろん他作も引き続き執筆頑張りますので、ぼんやり気長に見守っていただけますと幸いです