こんにちは、じゃまねりです。
『処刑ネクロマンサー』にこんなご意見が届いたので、
IF展開として書いてみました!
ご意見:ネムに絡んで甘える泥酔ゲラルドさんを見たい!
第49話の『◆(ミッドポイント)』のところに挿入してもらうと、時系列がつながると思います~。
本編を読んでいない方は、
・ゲラルド=仲間を亡くしたトラウマ持ちのネクロマンサー。多くを語らない、無骨で硬派な男。
・ネム=ゲラルドに蘇生してもらった少女。ゲラルドに懐いている。
これだけ押さえておけばOKです!
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「ひぇっ」
ネムは嘘だと思う。
――酒さえあれば大人たちは楽しくなる。
この言葉は嘘だと思う。
シチューの買い出しをしたときに少し話した、酒場のおじさんは嘘つきだと思う。
だってネムは——。
「これ、『楽しい』なんですか……?」
「……」
後ろから、酔ったゲラルドに抱きとめられ、髪を優しく撫でられている。
あぐらをかいたゲラルドの足の上に座らされる。がっちりホールドされている。
いつもの大人なゲラルドなら、こんなことはしないのに。
「ひぇぇ」
恥ずかしさと混乱で、消し炭になりそう。
背の高いゲラルドの両腕は、ネムを囲うにはあまりに長い。
頭のうえに彼の顔があり、背中はすっぽり覆われている。
からだ、熱い……。
体だけじゃない。ネムは、顔も耳もぜんぶ熱い。
溶けそう。
というか、燃えそう!
「あの、ゲラルドさん……?」
呼びかけてみても返事はない。
見上げてみても、笑ってくれるわけでもない。
ゲラルドはただネムの髪に顔をうずめ、大切なものを守るみたいに撫でている。
ずっとネムを守ってくれた、大きな手で。
ネムを死から引き戻した、あの温かくて優しい手で。
「……いい匂いがする」
「え?」
ゲラルドが、今なんて?
「生きている匂いがする。温かい」
「ええ?」
上から降ってきたゲラルドの言葉に、ネムは目を大きく見開く。
自然と口もあんぐり開く。
嘘だと思う。
いや、ゲラルドがネムを抱きすくめていること自体、いつもの彼なら考えられないことなのだが。
とにかく、それでも。
ゲラルドがこんな安心した言葉を吐くなど、きっとこれは嘘なのだ。
嘘、なのかな……?
「あの……ゲラルドさんも、あったかいです」
これは本当。
ネムは、ゲラルドの顔に手を伸ばす。
すり、とその頬に触ってみる。
「生きてます」
これも本当。
出会ったときからやつれているけど、それでもゲラルドは死んでいない。
苦しいことは多かったのか、よく歯を食いしばっていたのだが。
だから少し、顎の筋肉が硬いのだ。
「ゲラルドさん、ほんとに笑わないですね。どうすれば楽しくなるんですか?」
ふにふにと、ゲラルドの顎をマッサージしてみる。ちょっとでも気分が和らぐよう、眉間のシワも伸ばしてみる。
それを嫌がらないゲラルドに。
――むにっ。
ネムは、彼のこけた頬を指でつまみ、無理やり口角を上げてみる。
しかし——。
「ぎゃ!」
どうやらそれは嫌だったらしく、『やめろ』と言わんばかりに、ゲラルドに強く抱きしめられた。