『鶴ヶ島の女子高生、本日付けで光徳神社の『神様案件』担当になりました。』
埼玉県・鶴ヶ島のはずれにある、小さな神社「光徳神社」。
宮司の娘・夕凪は、朝の掃除と鈴の音に囲まれたこの場所が嫌いではないけれど、「神社を継ぐ」覚悟までは決められずにいる、ごく普通の高校二年生だ。
ある朝、街に「水の匂い」が満ち始める。ローカル掲示板には『夜中に川の音がした』『黒い水を見た』という書き込み。下校途中、境内で夕凪の足首を掴んだのは、地面から伸びる“黒い水の手”だった。
反射的に鈴を鳴らした夕凪の前に現れたのは、パーカー姿の青年――自称・雨乞い龍蛇の分家神「オロチ」。
「光徳神社の娘。次の『器』、祓い士候補だろ?」
神社の娘と蛇の神様が、鶴ヶ島に滲む“水の怪異”を祓う。
日常と神さまの仕事が交差する、現代ローカル祓いファンタジー開幕です!