いつも「本能寺は止めない、だが光秀は死なせない」にお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。
本日18時、第1話から第36話までの「全編フルリライト版」を一挙公開いたしました。
これまでの私は、体言止めを駆使し、極限まで言葉を削ぎ落としたスタイルこそが、この物語の洗練された美学であると信じて筆を運んでまいりました。自分自身、その鋭い文体に納得し、誇りを持って今日まで歩んできました。
しかし、少しの時間と距離を置いて改めて自作と向き合ったとき、ふと芽生えた思いがありました。
「自分の美学にこだわるあまり、物語の息遣いや、読者の皆様が寄り出すべき『体温』を置いてけぼりにしてはいないだろうか」と。
ありがたいことに、多くの方がこの作品を支えてくださっていることを再認識した今、私は独りよがりの洗練を捨て、物語が持つ真のエネルギーを解き放つ決意をしました。
今回のリライトでは、以下のテーマを深く、生々しく再構築しています。
「利(闇)」と「理(光)」の対立:
効率と損得で世界を塗りつぶそうとする信長の「闇」に対し、義昭が掲げる非合理な人情という「光」の輝き。
キャラクターの息遣い:
社会的な死を遂げ、名さえも消し去られた光秀が抱く、沈黙の中の叫び。
削ぎ落とした言葉の隙間に、本来あるべきだった情景と感情を丁寧に流し込みました。以前の版を読んでくださった方も、初めての方も、全く新しい物語として楽しんでいただける自負がございます。
この週末、そしてゴールデンウィークのひとときに、新しく生まれ変わった義昭と光秀の戦いを、ぜひ五感で味わっていただければ幸いです。
新生した本作を、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。