全ての野山が氷に閉ざされる時、全ての丘に剣が突き立てられる時、運命の子は現れる。精霊を統べる王が現れる。その子どもは雪の深い黒の国より生まれ、恐ろしい氷の腹から生まれ出でる。
世界は闇を呼ぶ者によって雪の中に沈み、光を呼ぶ者によって炎の中から再び生まれ出る。
心を研げ、子を隠せ。魔は人々の心にある。赤い鐘の音に備えよ。終末の時は近い。
──『終末と運命の子』(サヴェル・シウ・スールの子孫、精霊の子スリブランの予言と伝承)
予言から始まる次代の精霊王ハルサラーナ姫と姫の護衛、黒骨の騎士フォンザー・ベルエフェをめぐる数奇な運命の物語。
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