私の作品を私以上に繰り返し読んで楽しんでくださっている読者の方がおり、GW初日の今日、自作を全部、読み直してみた。
ぶっ飛んだ構想とか、博識とか褒めてくださることも多いのであるが、私の作品に対しては、圧倒的に「文章力」や「語彙力」を褒めてくださる声が多いと体感している。
そういう意味では、今日、全作を読み返してみても、文章的には『小説 棋王戦』が一番の秀逸の締まった美文になっているように思うが、評価は一番低い。やや、コアな将棋ファン向けに、また、クラシック音楽通の方でないとキビシイ内容だったか!?たしかに、一番、高尚さが求められる作品だったかもしれない。ただ、一番と言っても良いほど、人間の心の内面、揺れる心情、人間の心の持つ複雑さに肉薄出来た作品だとも思っており、言葉選びに関しても、(自分が書いたのだから当然なのであるが)本作は気に入っているのである。不人気ゆえか、閲覧数も低く、なかなか手に取ってもらえない運命を背負ってしまっているようだ。
味わい深い文章が好きな方には、是非、読んで見てほしい、文章力という意味では、私、イチオシの作品である。官能要素ゼロの頃の、私の原点的、純粋ピュアな作風作品である。