本作について、今後の公開方針を少し整理しようと思います。
現在、次に連載する作品として、本作のプロトタイプにあたるような歴史系の物語を準備しています。
そちらは、革命期の社会を舞台にした、男装、逃避行、身分を隠して生き延びる子供たちの物語になる予定です。
本作で扱ってきた「政治や大人の都合に巻き込まれる子供たち」「親の罪や立場を子供に背負わせていいのか」「保護という言葉の怖さ」「傷ついた子供たちが、それでも名前を取り戻していくこと」といったテーマを、より歴史物語として一本の筋にまとめた作品になります。
そのため、新作の連載を開始するタイミングで、本作はいったん非公開にする予定です。
理由としては、大きく二つあります。
一つ目は、本作が当初の想定よりも多くのテーマを含む作品になったためです。
クーデター、未成年者の保護、政治的な収容、内部告発、SNS世論、再クーデター、メンタルケア、ロマノフ家の記憶、祈りと弔い。
書き進める中で大切な要素はたくさん生まれましたが、そのぶん、物語としては少しテーマが散らばってしまった部分もあると感じています。
もちろん、本作で書いた莉子や沙耶の物語には、自分なりに大切なものがあります。
ただ、連載作品としてより強く、より読みやすく、よりテーマをまっすぐ届けるには、次の作品で整理し直した方がよいと考えています。
二つ目は、次に書く予定の歴史系作品と、本作のテーマがかなり重なるためです。
新作では、革命、階級、旧支配層の子供、男装して身分を隠す主人公、逃避行、そして「子供は親や時代の罪を背負わされるべきなのか」という問いを、物語の中心に置く予定です。
こちらの方が、舞台設定や主人公の行動目的がはっきりしているぶん、物語の筋を通しやすく、テーマも一つの方向へ向かわせやすいと感じています。
そのため、本作は「失敗作」として消すというより、次の作品へつなげるための試作・プロトタイプとして、いったん役目を終える形にしたいと思っています。
本作を書いたことで、自分が本当に書きたいものがかなり見えてきました。
大人の政治や思想に巻き込まれる子供たち。
名前を奪われそうになる子供たち。
怖い目に遭った子供が、それでも誰かの手を握り、少しずつ自分の言葉を取り戻していくこと。
そして、亡くなった人や傷ついた人を、ただ怖い話として終わらせないこと。
そういうものを、次の作品ではもっと整理された形で書きたいと思っています。
本作を読んでくださった方、本当にありがとうございました。
しばらくは公開したままにしますが、新作連載開始のタイミングで非公開にする可能性があります。
いただいた反応や、自分の中に残った手応えは、次の作品にきちんと活かしていきます。