「ねえ、森さん。そのボード、どうして持ってるの?」
「週間ランキングに入りました」
「……え?」
新井はボードを見た。
森を見た。
そして、もう一度ボードを見た。
まるで、どこかに説明が書かれているんじゃないかと探すように。
「週間ランキングに入ったの!?」
「はい」
「すごいじゃん! ……って、ちょっと待って。どうして描かれてるの、森さんだけなの?」
「二人分の予算がありませんでした」
「……あ」
新井は数秒間、黙り込んだ。
「資金不足って、私だけの問題だと思ってたのに……作者まで財政難だったんだね」
「新井さん」
「なるほど。じゃあ、もっとランキングに入らなきゃ! 読者さんがもっと増えたら、次は私も描いてもらえるかもしれない! 完璧な作戦だよ!」
「そういう仕組みではありません」
「違うの?」
「まずは、お礼を」
森はボードを持ち直し、まっすぐ前を見た。
「いつも読んでくださって、ありがとうございます」
「そうだった! いつも読んでくださって、本当にありがとうございます!」
新井はぐっと拳を握った。
「次は月間ランキングを目指そう!」
「新井さん……」
「ん?」
「忘れてください」