実は本編のあと、新庄夫妻は結婚3年目に子供を授かります。
ナツキに、卵巣・卵管はありませんが、子宮内に人工的に受精卵を定着させ、妊娠・出産する機能は備わっているからです(いわゆる代理母になるための機能ですね)。
その受精卵は、パーツ換装で“取り外された”ナツキ(=夏希)の睾丸内の細胞から引き出した諸要素を、外部調達した卵子に細工して作られたもので、遺伝子的には新庄夏希のクローンとも呼べる存在です。
もっとも、その(クローンという)事実は公にされることなく、ふたりの息子「新庄秋斗」は、父母の愛情と教育を受けて、健やかに成長します。
さらに余談ですが、実は圭人=ケイトの“原型”となった新庄桂子さんは、夏希には「優しいお婆ちゃん」でしたが、両親を亡くした彼が家に来るまでは新庄エレクトロニクスの経営に参画・辣腕をふるっていた、バリバリの女傑です。
天才科学者とはいえ経営(そちら)方面にはやや疎い夫・輝政の足りない部分をガッチリ補強していた、その意味でも比翼の鳥の片羽だったのです。
圭人が会社の運営に積極的になり、かつ成功を収めたのは、そういう背景があったからかもしれません。