現在連載中の「星河丘学園」シリーズや、KCAのもうひとつの学園物の舞台である恒聖高校などがある世界は、我々が住む現代日本と極めてよく似ていますが、ひとつだけ大きな違いがあります。
それは、通称「TS病」と呼ばれる病気(?)が存在する点です。
簡単に説明すると、このTS病、「主に10代前半から30代後半までの男性に発病し、発病後、数日から数ヵ月をかけて身体が女性に変わってしまう」という代物。
90年代後半から症例が報告されるようになり、2010年時点では世界的には100万人にひとりの発病率。ただし、先進国ほど高い傾向があり、日本だと実質30~40万人にひとり程度と言われています。
変化は不可逆で、いったん発病したら、どれだけ遅くとも1年以内に身体が外見的にはもちろん生物機能的にも遺伝子的にも、女性に変わってしまいます。
日本では、ある事情からTS病に関する法律も整備されており、発病者は戸籍を女性に変更することがいつでも可能(しないことも可)。その他の支援体制も相応に整っています。
そして──こういう事情があるからこそ、この世界(α世界線)では、ジェンダーに関する意識が比較的リベラルです。女装(あるいは男装)や外科的性転換、LGBTなどに関する許容度も、現実の日本よりもかなり寛容だったりします。
ちなみに、αがあればβも当然あり、β世界線は、「太陽系歴」シリーズなどの世界。アチラは「人外の存在や魔術などが、世間的に公になっている」世界となっています。
(α世界線にも、ごく少数ひっそり存在はするのですが、一般的には認知されていません)