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『銀河放浪ふたり旅』がヒットした理由に気づいた

 昨日、去年のカクヨムコン受賞作である『銀河放浪ふたり旅』を購入しました。もちろん、カクヨムでも読んでいましたが、やはり紙媒体の方がしっくりきます。カクヨム版はキリがいいところまで読んでいるので、これからは書籍版のみ追いかけようかと思います。


 本書はカクヨムで爆発的にヒットしている最中ですが、皆さんの感想は「スペースオペラとして完成されている」というのが大半かと思います。私も同感です。それと同時に、あることに気がつきました。本書はスペースオペラでありながら、「追放もの」の形式をとっているのです。


 主人公は思想犯(冤罪ですが)として、宇宙での牢獄暮らしを強いられます。これは、追放要素です。そして、地球が滅びることで一種のざまあ要素が成立します。それから友好的な宇宙人と接触し、地球代表になる。成り上がり要素ですね。これらの要素がさりげなく散りばめられています。流行を取り入れつつも、スペースオペラとして成立しています。


 改めて感じたのは作者の「さりげなく流行りを取り込む力」です。これは真似したいですが、今の私には力量不足です。カクヨムコンテストで受賞するには、このような構想力・発想が求められるのでしょう。


 今回は珍しく雑談回となりました。あ、本書を買ったことを契機に一つ評論を書きました。

紙の本、買おうよ
https://kakuyomu.jp/works/16818093091132903340


 現代では、紙の本を買う方は少数派かと思います。しかし、「本を買うことには重要な意味がある」ということを提示しています。気になる方は、ご一読ください。


 今回はこの辺で。


追記
 本書は「スローライフもの」でもあります。エモーションや宇宙クラゲとのやりとりは、読んでいて微笑ましいです。追放ものでありながら、スローライフものでもある。このバランス感覚が重要なのだと改めて気づかされました。

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