読み専の皆さま、フォロワーの皆さま。いつも拙作をご覧くださり、本当にありがとうございます!
さて、今回は先日路地猫みのる さまから頂いた応援用のSSを紹介します。
自分個人宛で頂いた作品ですが、あまりに内容が濃く面白かったので、独り占めは勿体なく、こちらで一般公開させていただく許可をもらいました。
そこで、お礼を込めまして、まずは路地猫さまの作品を以下に紹介させていただきます。
作者さま:路地猫みのる さま
タイトル:おちダン!〜おちこぼれ王子、ダンジョンで死にかけたら規格外の仲間に拾われた
作品概要:
世界を覆う虚構の神話、その真実を暴くのは“異端”の冒険者たち
王族なのに“黄金の炎”を使えない落ちこぼれ王子アレック(14)。
見返してやろうと冒険者になったものの――最初のダンジョンでいきなり死にかける。
彼を救ったのは、ツルハシを担いだ謎のおっさんだった。
幻影魔法で詐欺る、魔女っ娘ばあさん。
働く気ゼロ、正体不明のうたたね神官キノ。
幼友達で爆発魔法少女。
そして「レベル1」なのにやたら強いおっさん。
クセも強いが、実力もすごい。
あれ、俺の仲間強すぎない!?
ダンジョン攻略の中で、おっさんと交わした“二つの約束”を守りながら進むうちに、アレックの胸に芽生える疑問。
魔物ってなんだっけ?
ダンジョンってなんだっけ?
神? 神話? 王族って?
俺が今まで見てきた世界は「真実」だったのか……?
やがて神話の虚構は崩れ、少年は世界の真実に触れていく――。
パラダイム転換型冒険ファンタジー!
こちらはカクヨムコン参加作品です。
いわゆる「冒険者もの」に分類されながらも、定番に留まらず、ひと味もふた味も違います。意外性のある設定と先の読めない展開が面白いです。
また、キャラクターたちは路地猫さんらしく、個性豊か。それぞれが生き生きとしていて非常に魅力的!
*********
では、以下にSSの作品内容をご紹介します。
※なお、作中に登場するアラミスは、拙作以上に若干ヘンタイ寄りの振る舞いを見せる場面があります。一応、「全年齢の範囲には収まっている」とのことですが、もしご不快に感じられそうな方は、どうぞご無理のないよう、お願いいたします・・・。
作者さま:路地猫みのる さま
タイトル:ブルゲイSS『美しい花は、爆発したり弓を射る』
「なぁ、ミツヤ。俺は今日、素晴らしいものを見てしまったんだ」
いつもどおり黒いスーツに身を包んだアラミスは「知りたいだろう?」と言いたげにさらっと金髪をなびかせる。
ここは、ある大きな商業街。補給のために立ち寄り、各自行動していたのだが。
アラミスは、またしょうもないものを見つけたようである。
ミツヤと合流したヒースは、露店で買ったサイダーで喉を潤していたのだが、
「どうせ、ろくなもんじゃねぇんだろ」
と、つまならさそうに視線を逸らした。
アラミスは、やや気を悪くしたようだ。
「心の貧しいお前には分からないかもしれないが、あれは芸術品だよ」
「どうせ、きれいな女性を見て『この肉体美は素晴らしい』とか言ってんだろ。あほくせぇ」
決めつけるヒース。
ミツヤは苦笑気味に、「まぁまぁ。そこまで言うなら話を聞いてみようじゃないか」と、アラミスに先を促した。
彼は、スマートフォンを取り出した。
一枚の写真が映し出されている。
それは、女性の下着専門のブティックの写真だった。
文句を言いかけたヒースとミツヤは――あまりの美しさに、黙り込んだ。
写真には、二体の模型《トルソー》が並んでいる。
一体は、深い紅色の薔薇が華やかなデザイン。薔薇の下には白い小花のレースが敷き詰められており、アクセントの濃い茶色の紐が印象を引き締める。パンティはサイド紐という挑戦的なデザインではあるが、まるで薔薇の女王のような風格を感じさせる、華美さと荘厳さが両立していた。
「ルエンドちゃんに、さぞかし似合うと思うだろ?」
無意識に、こくんと頷く少年ふたり。
もう一体は、ふんわりとした丸いカップに、計算された青色のグラデーションが散りばめられている。青色、水色、白色の小花が咲き乱れているようだ。ところどころに、若々しい薄緑色の葉が、アクセントを加えている。肩紐にもパンティにもサテン生地のフリルがあしらわれていて、まるで青い花畑の妖精のような可憐さだ。
「ジェシーちゃんに、すごく似合うと思うだろ?」
さらに、頷くふたり。
アラミスはうっとりと画面を眺めているが、視線はおそらく、空想の中の女性陣を見ている。
「ふふふ、これなら彼女たちだって絶対に気に入るはず……」
――シュッ。
三人の間を走り抜けた何かが、にやけきったアラミスの頬に浅い傷をつける。
男性陣に、逃げる時間など与えられなかった。
さらに三本の矢が、アラミス、ヒース、ミツヤのズボンの裾を地面に縫い付けた。
――ちゅどーん!
爆発が起こり、黒煙が立ち上る。
周囲の人々の関心を集めたが、建物にも道路にも特に被害はなく、ただ若者たち三人が煤まみれになって呆然と立ち尽くしているだけであったから、みな不思議そうに首を傾げながら通り過ぎて行った。
壊れたのは、アラミスのスマートフォンだけだ。
近くのビルにあるカフェテラスにて。
明るい光の挿し込む窓際のカウンター席でハーブティーを飲んでいたルエンドは、艶やかな唇を笑みの形にした。
「ふふ。彼のスマホに、爆弾を仕込んでおいてよかったわ」
ルエンドは長い足を組み替え、「あんな男のために、お茶がぬるくなってしまったのは、残念だけど」と呟く。
弓を手にしたジェシカが戻ってきた。席につき、食べかけのいちごパフェを味わう作業を再開する。
「うちの男どもって、なんであんなにあほなのかしらね」
ゆったりとティータイムを味わうふたりの女性の後ろで、老年の女性マスターは微笑む。
「ふふふ、お嬢さん方。世の中には、存外愚かな男が多いものですよ。私は世の女性のたちの味方になるために、このカフェを始めたんですから」
ここは、女性専用カフェテラス。狭間《スリット》が完備されていて、弓でも銃でも狙い放題。
ビルのすぐそばに有名なデートスポットの噴水があり、ここで浮気現場を押さえた女性たちが復讐の炎を射出するのである。
もちろん、噴水には盗聴器も取り付けらえており、浮気の現場だけ押さえてあとからがっつり慰謝料を請求したい、という要望にも応えられる。
ルエンドが、笑って応じた。
「素敵な信念ですこと。爆発技術が必要でしたら、格安で提供しましてよ?」
マスターは、時間の深みを思わせる笑みで頷いた。
「そうですね。全国に支店を展開予定ですから、新しい技術の導入も必要ですね」
パフェを食べ終えた、ジェシカが感想を述べる。
「へぇ、こういうお店、増えるんだ」
拭き終えた皿を飾り棚に戻すマスターが、背中で語る。
「なにせ、需要が多いものですから」
三人の女性たちは顔を見合わせ、ふふふ……と楽しげに笑い合った。
煤まみれになった男性たちは、爆発に巻き込まれたはずなのに寒気を感じ、腕をさすりながら退散していった。
< おしまい >
以上です。
お忙しい中、本当にありがとうございました!
また元気をチャージし、執筆に励みます!