皆さまこんにちは!ペンネです。
早いもので1月も残すところ1週間ほどですね!
寒さも本格的になってきましたので、皆さまも体調には十分に気をつけながら過ごしてまいりましょう!
さて、『Take Medicine~ダウナー系薬学生は意外とキャンパスライフを満喫している~』の第11話を投稿しました!
お話のテーマとしたイメグリミン(ツイミーグ)はまだまだ新しい薬なので、これからの臨床データの蓄積次第ということもありますが、糖尿病治療に新たな光をもたらす治療薬として、わたし自身も興味・関心を寄せています。
さて、今回は第11話とも関連する「経口血糖降下薬」について解説しちゃいますね!
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「糖尿病」の治療と聞くと、ただちに「インスリン注射」をイメージされる方も多いのではないでしょうか?
確かに、β細胞自体が破壊されてしまう「1型糖尿病」の場合には、自分の体の中でインスリンを作ることができないため、インスリン注射による治療が唯一の治療法となるケースがほとんどです。
しかし、「2型糖尿病」の場合は違います。
2型糖尿病は特に「慢性疾患」とも呼ばれ、血糖値が高い状態が長く続くことによって引き起こされます。
よく、「糖尿病は血糖値を下げることができなくなる病気だ」と言われることもありますが、発症機序としては「血糖値を下げることができなくなることで糖尿病を発症する」の方が正しいです。
そして、2型糖尿病を発症する要因として、インスリンのはたらきが低下する「インスリン抵抗性」とインスリンの分泌量が低下する「インスリン分泌不全」の2つが挙げられます。
どちらか一方が独立して起こるというよりも、相互に影響を及ぼし合いながら症状が進行・悪化するというわけです。
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さて、2型糖尿病は1型糖尿病とは異なり、発症の初期段階ではインスリンを分泌する機能が残されていることが多いです。
そのため、インスリン分泌不全に陥っていない場合には、インスリン注射による治療は必ずしも必要ではありません。
つまり、インスリン抵抗性を改善させることができれば、インスリンの効きを正常に戻すことができるわけですね!
インスリン抵抗性は、肥満や運動不足、食事の栄養バランスの偏りなどの生活習慣の乱れが長く続くことで高まってしまいます。
そして、インスリン抵抗性を改善させるためには、適度な運動量の確保と食事の栄養バランスの調整に取り組むことが重要と言えます。
これらを行ったうえでも血糖値のコントロールが不良である場合に検討される治療法が薬物療法――つまり、「経口血糖降下薬」を用いた治療というわけです!
経口血糖降下薬には大きく分けると3つの分類があります。
①インスリン抵抗性を改善させるもの(ビグアナイド系薬、チアゾリジン系薬)
②インスリン分泌を促進するもの(スルホニル尿素薬(SU薬)、グリニド薬、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬)
③ブドウ糖の吸収抑制・排出を促すもの(α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)、SGLT2阻害薬)
どの薬が用いられるかは症状の進行度合いや血糖値のコントロールの状態などによっても異なります。
例えば、食後の血糖値上昇が顕著な症例では、ブドウ糖の吸収を抑制するためにα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)が処方されることがあります(※このお薬の作用機序については第3話を参照ください!)。
また、肥満によるインスリン抵抗性の影響が強い場合には、チアゾリジン系薬が用いられることがあります。
このお薬にはインスリン抵抗性を高める原因にもなる脂肪細胞を小さく分化させ、ブドウ糖が細胞へ取り込まれやすくする作用があります。
このように、糖尿病の治療ではインスリン注射だけでなく、経口血糖降下薬という「飲み薬」も選択肢に含まれているわけです。
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いかがだったでしょうか?
第11話で取り上げたイメグリミン(ツイミーグ)の有効成分は、従来の経口血糖降下薬のうち「ビグアナイド系薬」の代表でもあるメトホルミンの展開化合物を製薬会社が作っていたところ、偶然発見されたという経緯があります。
医学は日々進歩していると言いますが、それは薬学の領域も同じです。
わたしはすでに最先端の研究から少し離れてしまいましたが、定期的に論文やデータに目を通しながら情報のアップデートをしていければ、とも思っています。
更新は不定期ですが、本編の更新に合わせて「お薬コラム」も更新していく予定ですので、また気が向いたときに覗いていただけると嬉しいです!!
以上、ペンネでした!