SF──ハードSF──というのは、少し先の科学技術の進捗を見据えて書くものだと思っているので、時間が経つとその科学技術が想像に追いつくことが往々にしてあります。要するに答え合わせの時間がやってきます。もっとも、そんな未来は来なかった……というオチもありますが。
「時空間エンタングル」を書いたのは2011年で、重力波はまだ未発見。LISAもアルマも稼動前でした。「ヴィーナス・アタッカーズ」を書いたのは2014年。ご存知の通り、この時はまだあかつきは金星の軌道には入っていません。
で、書いた小説が二つとも、奇しくもほぼ同時期に、「答え合わせの時間」がきているわけです。これはまあ、ハズレが一杯出てくるのは当然で、ちょっとばかり凹むことはあるのですが、それ以上にワクワクが大きいです。ハズレが大きいほど面白い。そういうわけで、今、これらのニュースに釘付けです。現実の知識の更新は、さらなる妄想の糧になりますからね。楽しみです。