『最強女番長ショーコの軌跡 Season3』作品紹介文
――ウカちゃんと神奈備様のだいたい分かる作品案内
「ねえカンちゃん、Season3ってさ、何の話?」
「軽く聞くな、宇迦之御魂神。家鋪京子という一人の人間の、生涯に関わる物語ぞ」
「重っ。紹介文の一行目から重っ」
「……お前が聞いたのだろう」
1990年。
MITで約5年間の研究生活を終えた天才物理学者・舘翔子(ショーコ)が、日本へ帰ってくる。
待っていたのは、幼い頃から人生を共にしてきた家鋪京子(キョーコ)。
キョーコは先天性聾者。声で言葉を話すことはできない。だが、手話、筆談、読唇術を使いながら、福祉の世界へ進んでいた。
「で、ここから福祉大学、児童養護施設、厚生省、精神医療、成年後見、霞が関、政治……って行くんだよね」
「うむ」
「盛りすぎじゃない?」
「人生とはそういうものぞ」
キョーコがそこで何度も出会うのは、制度としては正しいのに、目の前の人間が救われていない現実だった。
職員にも事情がある。
官僚にも責任がある。
専門職にも理屈がある。
誰か一人を悪者にすれば済む話ではない。
それでもキョーコは問い続ける。
《本人は、何て言うてんの?》
「それ、シンプルだけど一番面倒な質問だよね」
「ゆえに忘れてはならぬ」
キョーコは福祉の現場から官僚へ、官僚から政治家へ進んでいく。
その隣には、科学以外はだいたい雑なのに、時々とんでもなく本質を突くショーコ。
さらに、普段は理性的なのに怒ると土佐の“はちきん”が炸裂する厚生省の上司・村山厚子(アッコさん)、白狐の精霊なのに腹が減ると全部他人に奢らせる篠山葛葉(しのくず)、昼は無口でも子どもに大人気、夜は饒舌なドS女王様になる怨霊・清姫(ヒメ)までいる。
「我々も出演するぞ」
「え、アタシら紹介文で自分たち宣伝していいの?」
「……もうしてるがな」
社会問題も扱う。
政治も扱う。
福祉も科学も扱う。
だが、これは説教のための物語ではない。
「正解を教える話じゃないんだよね」
「うむ。正解がなくとも、目の前にいる者を“いないこと”にはできぬ」
そしてこれは同時に、ショーコとキョーコが、飯を食い、喧嘩をし、笑い、愛し合いながら、一生を共に生きる物語でもある。
「つまり?」
「入口は笑い。中心は人間。奥には制度と思想。そして最後には食卓ぞ」
「じゃ、難しいこと考える前に読めばいいじゃん」
「……それでよい」
人を救うのは、人なのか。現場なのか。制度なのか。政治なのか。
その答えを簡単には出さないまま、キョーコは走り続ける。
『最強女番長ショーコの軌跡 Season3』。
これは――
家鋪京子という一人の人間が、確かに生きた証の物語。
「……カンちゃん」
「なんだ」
「最後、ちゃんと重いじゃん」
「軽く終わらせるな、宇迦之御魂神」
「うぃーっす」
「返事……」
(画像はウカちゃんです)