順位などに執着したことがない。
高校のテストは最低限しか勉強せず、高得点高順位を取ろうという気持ちはなかった。自分が楽しくのびのびと高校生活を楽しめたらいいじゃないかと思っていた。酷い点と酷い順位だったと思うが、高校生にもなると大した叱責を受けることもなかった。
「貴方は本当に最低限の勉強で最低限の点数を取りますね」
と3年間担任をしてくれた国語の先生に呆れながらテストを返却されたことがある。もう少し勉強すれば上位に余裕で食い込めるのにというニュアンスが前面に出過ぎていた。
小学生の頃から高校まで習っていた習字の教室では毎月貰う自身の階級が書かれてある冊子を貰っては1度も開かず母に渡していた。昇級試験なども最後の方は受けていなかった。同じ教室に通っていた同級生が大事な昇級試験か何かで難しいものを書いているのを横で見て大変だなあと思っていた。
先生はおそらくこういった性分であることを理解してくれていた。
みんなが山頂を目指す山の中で、山頂や登山道じゃなくていいからいちばん美しい景色を探そう、1番好きな場所を探そうという気持ちで登山をしているような感覚だ。
第2回カドカワ短歌賞に応募している。1位とってやる!とかではなく、自分が美しいと思った場所をどれだけの人が美しいと感じてくれるのか気になった。興味本位で応募した。
いい順位は取れないだろうと思っていながらも評価してくれる方がチラホラといて、それだけで嬉しかった。
そういえば順位はどこにいるのだろうと思った。下から数えたら早い方だろうと考え、1番下から遡ってみた。
やっと見つけた自分の連作は上から61番目だった。驚いた。200位台だろうと思っていたから。
綺麗な景色見つけてやると意気込んで登った山は、いつの間にか上の方にいたらしい。普段は気づいたら海にいたりするのに。
嬉しいものだと思った。もちろん自慢できるほどの高順位とかではない微妙な数字だが個人的には大出世だ。
これはちょっと、僕の見つけた絶景スポットを山頂にしてしまうのも悪くないかもしれない。