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【日記】最近読んだ山﨑豊子さんの作品について感想など


 最近読んだ山﨑豊子さんの作品の感想です。
 ネタバレあります。

●ぼんち
 大阪の船場を舞台にした船場商人の物語。Kindleにあったので久しぶりに読み返すかな……と読み始めたら知らない展開が続き、どうやら購入してそのまま積んでました……。まぁ山﨑豊子さんの船場を舞台にした作品の表紙は、Kindleでは色が異なるだけなので埋もれてしまうのも仕方ないです。

 主人公は船場商人の若旦那で、妾を何人も囲い船場の風習に合わせて……と現代の価値観を持っているとひっくり返りそうな展開が多々繰り広げられます。山﨑豊子さんの船場を舞台にした作品はいくつかありますが、他作品に登場する船場のぼんぼんは端役やしぶちんだったため、ついに当時の晴れなかなか生活や格式を重んじる生活風景が楽しめるのかと胸躍りました。

 複数妾がいるので、それぞれ愛憎入り混じったバチバチの展開が繰り広げられるかと思いきや、結構皆納得して穏やかな生活を送っていることに面くらいますが、ハーレムモノの走りなのかな、と考えるとどうにか読み進めることができました。他の船場作品と同様に、栄華を極めていた商人も戦争によって色々失っていく流れは悲壮感がありますが、最後のそれでも逞しく生きる妾たちの姿もあって読後感は明るいモノを感じました。

●二つの祖国
 太平洋戦争に関しては、歴史の教科書程度の知識しか持ち合わせていないため、戦争中の日系人の扱いや裁判の流れなど大変興味深く読むことができました。ただ、裁判の件は一気に登場人物が膨れ上がり、高度な論理展開で物語が突き進むため、ついていくことが難しかったです。この部分を正確に把握しながら楽しむには相当な勉強が必要だと感じ、後半はもう飛ばし飛ばしで流れだけ掴みながら読みました。

●山﨑豊子読本
 Kindle版は出ていなかったので、久しぶりに紙の本を買いました。各作品の批評や知らない裏話などが載っていたので楽しめました。白い巨塔の裁判で展開される医学的な議論の数々は、病理部長などの実際の医者を交え、患者側と医者側の模擬裁判的なやりとりを何度も行なっていたと知り、圧倒的なリアリティを生み出すための取材の凄まじさに心底感服いたしました。

 冒頭には作品の舞台となった大阪の地図などが載っていたので、GWは大阪に旅行に行くつもりでした。山崎豊子さんの作品に登場する船場の聖地巡礼、です。しかし3月は70時間、4月は60時間と残業がやばすぎて旅行に行くパワーを引き出せず、また1、2日も休めなかったので諦めました。夏は暑くて無理なので、秋頃にどうにか休みをねじ込んで聖地巡礼したいです。

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