ご無沙汰してます!
以前ちらっと書きましたが、某賞にお嫁に出していた我が子が出戻って帰ってきたので、明日12:00よりこちらに公開します!
タイトルは『壁に耳あり、障子なし』。
約6万字弱の中編小説です。
(6万字は中編で合ってます?)
この小説のことをどう紹介したものか私にもよく分からないのですが、とりあえず一つだけ言うならば、主人公が壁です。
あだ名や比喩表現ではなく、壁です。
オンボロアパートの壁です。
……なんて言うと奇をてらった設定の出オチ作品のように思われるかもしれませんが、決してそんなことはないはず。
代表作『ミスターカメレオン』のような華はなく、どちらかというと地味な滑稽噺のような物語ですが、個人的には結構気に入っています。
更新スケジュールは明日6/19(水)〜7/7(日)の毎日12:00。
初日は4話、それ以外は1話か2話の更新で、全25話になります。
各話結構短めに切ってあるので、何話か溜めてからまとめて読んでもいいかも。
約2週間半、どうぞお付き合いください!
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■『壁に耳あり、障子なし』あらすじ
築五十年以上のオンボロアパート、さくら荘の二〇五号室の壁は、『壁に耳あり障子に目あり』という言葉の通り、耳はあるが目はない。生まれてこの方ずっと部屋の中で、住人の立てる物音を聞きながら生きている。
今の住人は仲の悪い母娘。時折母の恋人も出入りしており、毎日のように起こる喧嘩騒ぎに壁は頭を悩ませていた。
そんな壁の愚痴を聞くのは、お隣二〇四号室に越してきたばかりの一子。彼女は生まれて初めて現れた、壁の言葉を理解する人間だった。
訳ありの富豪、騒音クレーマーの老夫婦、おしゃべりな大家。灰汁の強いアパートの住人たちの人生が、知らず知らずに交差する――。