ハロウィンから数日が経ったあと、
先輩が俺の家にやってきた。
「先輩、どうかしましたか?」
「はい、これ。開けてみてほしいな」
先輩が小さい袋を渡してきた。
先輩の指示通り、開けてみると、中にはかぼちゃの形をしたクッキーが入っていた。
「先輩、これって……」
「ほら、僕はお菓子をあげなかっただろう? でも、申し訳ないと思ったからトリートを持ってきたのさ」
「先輩……ありがとうございます」
「ふふっ、あ、それともう一つお返しがあるんだ。少ししゃがんでほしいな」
「え、な、なんですか〜仕方ないな〜」
そして、俺がお返しにワクワクしながらしゃがむと、
先輩は俺の頬をつねってきた。
「いだだっ、なにずるんでずかっ」
「お返しだよ。痛かったからね」
「ぞ、ぞのお返じはいらないでずうっ──」
しばらく頬をつねられたあと、
俺は叫んだりしたせいかお腹が空いてきたので、先輩のクッキーを食べた。
「お、おいしいっ。サクサクでほんのりかぼちゃの味がして……」
「ふふ、頑張って作ったからね」
先輩は根に持つタイプだったが、お菓子はとても美味しく、
それだけで許せてしまう。
……やっぱ、痛かったから許せない──。