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こんな感じの新作書いてます。「せっかく双子で恋愛ゲームの主人公に転生したのに兄は男に妹は女にモテるんだが。」

この近況ノートって読んでいる人いるのかな。
いつか自分の作品を書籍化する。
そんな夢を叶えるために今は試行錯誤中です。
ですので次から次に新作上げていくのでご了承ください。
今書いてる新作のプロローグをここで公開しようと思います。
タイトルは「せっかく双子で恋愛ゲームの主人公に転生したのに兄は男に妹は女にモテるんだが。」です。

***

「リリス・イム・ミルファイア。今日この場をもって、君との婚約を破棄する!!」

 エボルシオン魔法学園第一学期終業パーティ代表挨拶の終わりにそんな言葉が響き渡った。
 針のような沈黙が佇む。その場にいた全員がその言葉を理解するのに数秒必要だったのだ。
 途端にざわざわと理解した人間達が騒ぎ始める。そんな中、婚約破棄を告げられた本人──リリスは顔を真っ青にして震えていた。

「れ、レックス様……!? そんな……っ!?」

 そう叫び、己の婚約者であったレックス・ブルー・アドラシオンに縋る。それによってさらに場は混沌へと化した。

 しかしそんな中、まるでこの状況を前もって知っていたように比較的冷静な二人がいた。
 二人──否──その双子は兄の方をレン、妹の方をサクラという。
 二人はパーティ会場の隅でこそこそと身を寄せ合い、内緒話をしていた。

「……お、おい桜。レックスの断罪イベントは一学年の終わりのイベントじゃなかったか? まだ一学年の第一学期だよな?」
「うん。何がなんでも早すぎるよ。でも念願の断罪イベントをクリアしたんだからまぁ良しとしよう。これで正々堂々私はレックス様に、蓮はリリスを攻略できるってことだし」
「そ、それもそうか! 流石俺の妹だな! よぅし! リリスたんは絶対に俺が幸せにしてやる!」
「私もレックス様と夢みたいな素敵な恋を……えへへ~」

 そう顔をデレデレと緩ませる二人を余所に、婚約破棄により修羅場と化した──いや、化していると思われていたレックスとリリスは二人の思惑から大きく外れた動きを見せる。
 まずリリスは自分を婚約破棄したレックスを見上げ、何かを察したように涙を流した。
 レックスはそんなリリスにそっと眉を下げて微笑み、頷く。

「レックス様、まさか……」
「あぁ。婚約者として、君には今まで苦労をかけた。君の家にもちゃんと話はつけているし、この婚約破棄は正式な手続きを終えた後の宣言だ。……故に君はもう未来の王妃ではない。自由なんだ。今まで君に何も出来なかった余の、せめてもの償いのつもりだ。幸せになってくれ」
「レックス様……! ありがとう、ございます……ありがとうございます! どうかレックス様も貴方の選んだ人の傍らでお幸せに……」

 リリスとレックスはお互い爽やかに握手をする。
 会場は未だに騒ぎながらも婚約破棄は当の本人達の合意の上であることを知り、緊張が解れたようだった。
 しかしそれに反比例して会場の隅の双子達には緊張が走る。

「──おい、桜。シナリオ通りだったらここは婚約破棄されたリリスたんが発狂してパーティ会場を走って出ていくシーンだったよな!? なんであんないい感じに握手してるんだ? っていうか断罪してなくない? 断罪イベントなのに」
「あ、あれぇ……?」

 するとそこで、シンクロして首を傾げる双子目掛けてリリスとレックスが足早に向かってくるではないか。
 戸惑う双子にリリスとレックスは頬を赤らめていた。恋愛ゲーム特有のスチルが、双子の目にはハッキリ見えた瞬間だ。

(え? ここでスチル? ここで俺、リリスたんとのルートが始まっちゃうのか!? うぉおおおリリスたん可愛いぃぃいいい絶対に俺が幸せにするからな!! っていうかもう俺に惚れてないこの子!? まだ俺攻略してないし話したこともないのに! でも可愛いからもうなんでもいいぃいい!)
(えぇぇぇ! レックス様圧倒的顔がいいぃいいい! これには干物な私の心も潤うわ太平洋だわ。でもまだ一回も話したことないけどなんでレックス様のスチルが見えたんだろう? まぁ難しいことは考えない! レックス様愛してます抱いてぇぇぇええ!!)

 そんななんともIQの低い双子の心の叫びに応えるように、リリスは相手の双子の片方の手をきゅっと握りしめ、レックスはもう一方の手を握り膝をついた。

「余の心はあなたのものです。余と、このレックス・ブルー・アドラシオンと結婚してくれないか? ──レン」
「これで私を縛るものは何もない。私は自分の素直な心をアンタに伝えられる。……好きよ。あなたのプロポーズに応えます。幸せにしてくれないと許しませんからね──サクラ」

「「──は?????」」

 双子よろしく、サクラとレンの声が綺麗に重なる。
 会場にさらなる混沌が生み出された。



 ──これは、とある双子がとある恋愛ゲームの主人公に転生した物語。
 ──自分の推しである異性のキャラと結ばれたいのに何故か同性のキャラにモテてしまう二人の奮闘記である。


***

こんな感じのラブコメです。五万字くらい書いたら公開しようかな。
皆どれくらい書き溜めているんですかね。

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