「ご当主様」
ルフェール領辺境伯館執務室の扉がノックされレザルタが応える。
「んぁ?どうした?」
すると執事長が申し訳なさそうに尋ねる。
ちなみに彼も気弱な見た目に反して二つ名持ちの武人である。
「いえ、その。お仕事の件に関してですが…」
そしてレザルタは当然のように・・・
「あぁ…うぅ、決算報告書の作成、給料配分明細書作成、税収管理報告記載所記載その他諸々確認を終えて提出済みだ。」
「さすがはルフェールの暇人ですなぁ」
「はっ、まぁな」
何気ない会話と笑いあう二人だが、
「最近、街道で斥候と思しき魔族を狩った。そろそろ来るぞ。」
この一言で空気が一変する。
「きな臭いとは思っておりましたが・・・魔剣の新調はいたしますか?」
「ああ、今のと同じぃ、いいのを一振り一ヶ月以内に頼む。」
「了解しました。出来次第、訓練場に回しておきます。」
「よろしくな。」
かくして、三ヶ月後レザルタ゠ルフェールは勇者となった。