タンソヅ様の通り道 /ホラー
https://kakuyomu.jp/works/16817330652375293947に、タヌキングさんから、
汽車はポンポコ走るよ走る /歴史・時代・伝奇
https://kakuyomu.jp/works/16817330652082293376に、たから聖さんから、
それぞれレビューをいただきました!ありがとうございます(*'ω'*)
「タンソヅ様の通り道」は土着信仰系ホラーです。こういう話、一度書いてみたかった。
そして実は、実話を元に書いた話でもあります。
私が幼少期を過ごした集落では、神や仏それから妖や幽霊、そういった人ならざる者は遠くの空からやってくるものとされていました。
例えば、台風みたいに風の強い日は、その風に乗って遠くの空から霊魂が迷い込んで来てしまいます。
だから引き戸越しに「けぇれっか?けぇれっか?(帰れますか、帰れますか)」って声をかけて、土産に団子を持って帰ってもらうんです。
この団子は決まって6個です。お盆のときに施餓鬼棚にお供えする団子と一緒ですね。
でも台風のたびにそうやってお米を消費するわけにはいかないから、ジャガイモで作る場合が多いです。
それがいつしか揚げられるようになり、「けぇれっか」が「コロッケ」に変化しました。
これが世に言う「台風コロッケ」の由来ですね。
という話はもちろん嘘ですので、適当に読み流していただければと思います。
以下、本題です。
今回「タンソヅ様は怪異とか神様というよりシステムに似てる」という感想をいただきましたが、その通りなんですよね!ご名答すぎる。
タンソヅ様のモデルになったものは「クウサン」です。
漢字で書くと「空散」、略さずに言うと「空中散布」
昔の田舎あるある、ヘリコプターで広範囲に農薬をばら撒くやつです。
低空飛行してるから迫力がすんごい。障子めっちゃ揺れる。
それを「その村には年に一度だけ、外に出てはいけない日があった」とか書いたら、因習村っぽくね!?と思いまして。
ただ単に、人間が農薬を被るわけにはいかないから外に出ないってだけなんですけどね。
そして有人ヘリを使っていたのが無人ヘリになり、今ではドローンを使ったりしています。
どんどん小さく、存在感が無くなってきました。
それが、こう、時代が下るにつれて居場所が無くなっていく妖怪だとか怪異だとか神だとかにリンクしているようにも思えて。
このお話が生まれたのでした。