リョウ

半分には少し足りていないのですが、素直になれない俺と天然彼女を40話まで読みました。おそらく15万文字くらいは読んだと思います。長かった。長かったよ、15万文字。かつてこれほどまでに粗探――真剣に読み込んだカクヨム作品があっただろうか、いやない。

ええと、というわけで、辛口感想を書きに参りました。遅くなってすみません。といっても、各話への突っ込みは応援コメに書いたので、全体的な感想を。ネタバレありです。


主人公の将大の一人称になっていて、細かい感情の動きがわかってよかった。特に女の子絡み。動転している様を見てにやにやした。多少の神視点と視点移動があるけれど、ほとんど不自然なところはなく、わかりにくさもなかった。一人称というからには本人の知らないことは書かないとこだわる作者も多いけれど、個人的にはこのくらいのが好き。

冒頭の主人公の印象の悪さにドン引きした。インパクトという意味では最大限の効果を発揮している。が、もしかすると、第一話にして離れてしまう読者がいるかもしれない。

その後も嫌な奴全開。「クソ女」ってひでぇなおい。が、それがだんだん軟化していったところはよかった。悪態をつきながらも負けていくのは見ていてしてやったりという気分で、夏穂を応援してしまった。ただそれが、あっという間すぎて少し物足りなさがあり、そのまま過去編に入ってしまったものだから、そっちがメインのように感じた。気持ちが変わって照れたりしているところは、ニヤニヤできる美味しいところなので、もっと丁寧に書いたらよかったと思う。

女の子の違いがよくわからない。特に夏穂と織葉。ヒロインだから特徴がないのが特徴なのかもしれないけれど。優梨はわかりやすい。ツクヨミちゃんもわかりやすい。

そしていまのところ一番わかっていないのは、将大の魅力。中学では彼女がいて、高校では入学直後に告白三昧。夏穂に至っては毎月告白するほどご執心。その理由が一目惚れって……。最初はそれでもいいだろうけど、まさかずっと顔だけで好きだったわけじゃないよね？　ドッヂボールはかっこよかった。それは認めよう。だけど、体育以外は授業中寝てるただのバカだよ？　名前呼び捨てできるのも哲っちゃんくらいしかいないんだよ？　３クラスしかないのに、前のクラスの友達もいないんだよ？　いいのそれで？
本人はなんで俺なんかって思うどころかモテて当然くらいのつもりでいるようなので、これから隠れた魅力が出てくるんだろうことを期待している。

よくも悪くもWeb小説。もしかしたらカクヨムで読んだ中で一番Web小説らしい作品かもしれない。
あまりちゃんとしたプロットは作らずに、大体の展開だけ考えて、その場のノリで書いている。だから対して重要じゃないことも細かく書いていて、いろんな矛盾が生じている。
だけどWeb小説って本来そういうものだよなとも思う。書きたいように書いて、書きたいところはたくさん書いて、書きたくないところはさっと流す。構成とか、そういうのは書籍の役割であって、Web小説に求めるものじゃない。見つけるのが遅くて追い付くのが大変になってしまったけれど、連載追いかけていたら毎回楽しみにするだろうなと思った。

ただ誤字脱字だけは、もう少しなんとかして欲しい。誤脱で集中が削がれるからあまり話に入り込めなかった。だからこそ普段全く気にしてないトランプや時刻が気になり始める。書いた後に読み返しているのなら、あともう１回、全く読み返していないのなら、あと２回は読み返して欲しい。勘違いで間違えているなら仕方ないんだけど、読み返してなんとかなる分だけでも潰してくれたらなと思う。

とはいえ、この作品の持ち味は書きたいように書くんだっていう勢いだと思うので、読み返すせいでそのテンションが保てなくなるくらいなら、テンションを優先すべき。


以上です。
読了……ではないけれど、依頼分は読み終えましたので、レビュー作からどれか読んで頂くお約束、よろしくお願いします。他の依頼作があるので、いったん優先度は下げますが、続きも読みに来ます。一話更新されるタイミングで二話読むくらいのスピードで徐々に追い付くのが理想ではありますが……そのペースで行けるかは自信はありません。

だから対して→だから大して
注意しといてお前はそれかいって思いますよね。僕は思います。でもそこはお互い様なのです。ええそうに違いありません。