お金稼ぎしないと
ミントの両親のお墓は、現パスカルト国の宮廷の中庭にある。そこにたどり着くには、それなりの装備が必要だとマカラ達に言われ、ちょうど、食糧的にもきつくなってきたし、資金を稼ぐ為に先ずはデイジーの出身国[ソレイユ公国]に向かう事にした。
一方、デイジーを拐った蛇達はデイジーの死体を利用しようと、蛇の一族の司祭とソレイユ公国の大臣[ダイキリ]を引き連れ総勢六人でミント達のいる小屋の直ぐ側まで来ていた。
ニヒロ「これはいかん。鉢合わせする前になんとかしなければ!」
ダイキリ「確かこの辺りに埋めたハズなんだろ?」
蛇晴「ソレイユは金持ってるからな(笑)だろ?ダイキリ大臣?」
ダイキリ「まあな、溜め込んでるから少々頂こうってな(笑)上手くやってくれよ?貴様等は安く無いんだからな!」
蛇達がデイジーを埋めた辺りに着き、その場所の土が、掘り返されてるかのように散らかり、なかにはデイジーの死体が無いことに気付いた。
ダイキリ「どういう事だ?ここに埋めたのだろう?」
蛇斗「…………誰かが、掘り返したのは明白だ」
と、そこに神父の格好をしたニヒロが現れる。
ニヒロ「こんにちは。みなさんもしかして、ここに埋められていた死体の遺族の方々ですか?」
蛇晴「…………まあな、そんなところだ。貴様は何者だ?」
ニヒロ「私は町の神父です。ここにあった死体のように身寄りが無さそうな無縁仏を町の教会で弔ってます。」(我ながらなかなかの嘘(笑))
蛇揮「よし、我々を教会まで案内しろ!」
ニヒロ(どうする?)
「かしこまりました。ついてきてください。」
(ミント達からできるだけ離さないと……)
ダイキリ「…………仕方ない、いくぞ」
ニヒロ(さて、どうするかな……なんとかコイツらを巻かないとなぁ…)
暫く、蛇達を連れて歩く。途中でパスカルト国へ続く道と他国へ続く道の分かれ道に差し掛かった。
ダイキリ「おい、まて。」蛇達は足を止める。
ニヒロ「?どうしたんですか?こっちですよ?」
ニヒロは嫌な予感がしつつ言ってみた。
ニヒロ「早く行きましょう」
ダイキリ「1つ尋ねるが、あそこに埋まっていた少女の死体は確かにパスカルトの墓地に移したんだな?」
ニヒロ「いえ、まだ弔ってないので、教会の安置室にありますよ?」
ダイキリ「そうか。」
ソレイユ公国のダイキリ大臣はそう言うと、蛇達に目で合図した。
蛇晴「了解した。」
蛇斗「おまえは目撃者だからな(笑)ここまでだ」
蛇達はニヒロを取り囲む。
ニヒロ「あちゃ〜〜〜!Σ( ̄□ ̄;)やっぱりそうなります?」
ダイキリ「悪いな(笑)死んでくれんか?」
ニヒロ「見逃してって言っても駄目ですよね?」
蛇揮「駄目なんだな、これが」
ニヒロ「…………ふぅ。仕方ないですね。」
ニヒロは溜息をついて、うつむく。
ダイキリ「覚悟したか。潔いな(笑)」
ニヒロ「「違いますよ(笑)」」
ニヒロの声色が変わる。
次の瞬間、ニヒロから強烈なプレッシャーが放たれる。
蛇晴「なっ!?なんだこのプレッシャーは、貴様ただの神父ではないな?」
ニヒロ「はははっ(笑)ただの神父です。ただしあなた方を舜殺することができる程度には強い神父です。」
蛇揮「………貴様の顔、何処かで見た事あるような……」
ニヒロはニコリと笑顔になって言う。
「魔法使いを名乗るものならイクス・ナイハイロの名前ぐらい聞いたことありますよね?」
ダイキリ「イクス・ナイハイロだと…………ふん、そんなものワシでも知っている。だからどうした?おまえ達殺してしまえ。」
ダイキリがそう言って振り替えると、既に蛇達はいなかった。
ダイキリ「…………えぇ〜〜………」
ダイキリはニヒロにしこたまやられて、ロープでぐるぐる巻きにされた。
ダイキリ「酷い話や…………」
ニヒロ「さて、どうしたものか…?」
一方、逃げた蛇達はだいぶ遠くまで走っていた。疲れたらしく、その場に五人とも座りこんだ。
蛇晴「いや〜〜参ったね(;つД`)疲れた」
蛇斗「うん(;つД`)恐かったわ〜〜」
蛇揮「イクス・ナイハイロとか、ヤバイよね〜〜〜〜〜(。´Д⊂)?」
他の二人の蛇「ね〜〜(。´Д⊂)なんなん?」
蛇揮「俺、一応魔法使いの勉強してるから、ナイハイロの凄さ知ってんねん(;つД`)」
蛇晴「殺されるかと思った( ノД`)…」
蛇斗「見てみ?俺まだ震えてんねん(ノ_<。)」
蛇揮「うん(;つД`)あんな?俺、ここだけの話、ちょっとチビってんねん(ノ_<。)」
蛇晴「…………俺も(つд;*)」
他の二人の蛇「俺等も(つд;*)」
蛇斗「俺なんか、ナイショだけど、大のほうチビったぜ?」
蛇晴「…………どうりでクサイと思ったよ?蛇斗ちゃん
( ノД`)…」
蛇斗「イクス・ナイハイロとか言い出した時、怖くて怖くてもう………ゲレンデが溶けるほどクソしたい!!!って思ったよ(ノ_<。)したけど(*_*)」
蛇揮「ホンマかなわんよなぁ…( ノД`)…俺達ただの、ちょっと強い小悪党やんなぁ?」
蛇斗「な〜〜〜〜(ノ_<。)やめて欲しいわ」
蛇晴「……で、蛇斗ちゃん?ゲレンデって何?」
蛇斗「わからん。」
この五人の蛇達は、これからもちょいちょいミント達に絡んでくる。
ミント達はソレイユ公国に向かう道中でも、賑やかで大騒ぎである。
ルドラ「…でも、アーシアって美人だよな?なぁマカラ?」
パライソ「しかもナイスな体つきなんだな」
マカラ「うん(*´ω`*)ミントやデイジーだって可愛いよね♪ヽ(´▽`)/]
アーシア「やん(/▽\)♪」
アーシアが恥じらうのを見て、ミントとデイジーも真似して恥じらう。
ミント「あはん(///ω///)♪」デイジー「きゃはん(*ノ▽ノ)」
パライソ「まさに美人薄命なんだな」
シーンと静まって、どっと笑いが起こる。
アーシア「じゃあ、一回死んでるから後は長生きだね(笑)」
デイジー「ワォ〜〜〜〜(///ω///)♪」
ミント「…………あたしも近々死んじゃうのかな?美人薄命なんてぇ」
パライソ「………大丈夫……なんだな」
ミント「ちぇっ( ´△`)どうせあたし、可愛くないもん!」
マカラ「おいおい(笑)マスターのミントが死んだら、俺等全滅だよ?」
ミント「え〜〜〜?」
一応ゾンビであるマカラ達は、マスターが死ねば自分達の存在も危ういことを多少認識していた。
と、そこへ縛られたダイキリを連れてニヒロが現れる。
ニヒロ「あの…みなさん、この道を進むってことは、もしかして[ソレイユ公国]へ向かってます?」
ミント「うん(*´ω`*)そうだよ♪オジサンだぁれ?」
ニヒロ「(………オジサン( ノД`)…)私はマジョルカ王国の町で神父をしていたんですが、パスカルト国に変わってから、高額になった税金と家賃が払えず、已む無く賞金稼ぎの真似事をしてまして、その……良かったら私も[ソレイユ公国]に同行してもよろしいでしょうか?」
ニヒロ(我ながら清々しい程の嘘ばかりだな)
ニヒロ「もちろん、ただとは申しません。先程捕らえたこの[ソレイユ公国]の悪大臣ダイキリを突き出して、懸賞金が入ったら、半分差し上げます」
ニヒロ「このダイキリ、ソレイユ公国の姫を拐った一味の首謀者みたいですから♪」
ニヒロ「この書面をソレイユの高官に見せれば、ダイキリの罪が確定します。デイジー姫誘拐の罪がね♪」
リンシュウ「お♪これで犯人と誘拐された姫が揃ったね(笑)」
ニヒロ「……え?………姫がいるんですか?」
マカラ「(笑)ここにいるよ?ソレイユのデイジー姫♪(*´ω`*)」
デイジー「こんにちは♪神父さん(*´∀`)」
デイジー「そして、あなただったのね?ダイキリ大臣。前から不穏な人だったけど!」
ダイキリ「……ちっ!(なぜ、死んだはずの姫がここにいるのだ?)」
ニヒロ「……まさに渡りに船ですね!」
ニヒロをパライソがじっとり見ている。
パライソ「………神父さん、あんたずっと小屋の側をうろついてたんだな…」
ドキリとするニヒロ。
ニヒロ「…いやぁ気付いてました?たいしたものですね、ひょっとして他のみなさんも私に気付いてました?」
小屋の側を、怪しくうろついていたニヒロに気付いていたのは、パライソだけだった。
パライソ「………別に、邪悪な気配じゃないから、ほっといたんだな、悪い奴じゃなさそうだしなんだな。」
ニヒロ(……恐ろしいのがひとりいるな。パライソか……このゾンビ達、男連中はみな、強者の貫禄があるが、パライソ…………この男だけは別格だな。)
かくして、ミント達総勢九名は[ソレイユ公国]へ向かうのだった。
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