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いつもの駅前の広場


今日も今日とてストリートパフォーマー達が駅前の広場で自分達のスキルを磨いていた。観客達の人だかりの横を、携帯電話を片手にしゃべりながら歩いている男がいる。

この男、名前を神谷 みつるという。年令は42歳、歓楽街のショーパブの経営者である

神谷「いきなり、そんな事言われてもさぁ!困るよ!」

なにやら少々イライラしている。

神谷「どーするのさ、今日のステージは!」

どうやら経営している店の従業員ともめている。ストリートミュージシャン達の馬鹿デカイサウンドで、時折電話の声が聞こえなくなるのも、イライラを増幅させた。

ふとあるパフォーマーが神谷の目に止まった。舞と雀の二人である。二人のダンスは誰に習ったわけでも無いが、日々お互いに練習を重ねてきた為、観るものの心を掴む。

地下室にて積んできた努力はプロのダンサー顔負けの実力なのである。そしてエロい。

やたらとナイスバディだし、露出が凄まじく胸やお尻がほぼ丸出しなのだ。


神谷はイライラしていたのも忘れて、二人のダンスに見入っていた。

神谷「ふむ………いきなりだったから多少声を荒げちゃったけど、まぁ仕方ないね」

「そういう事なら今日中に今までの給料取りに来れる?俺も忙しいからさ」

神谷はすっかり冷静になっていた。

「あぁ、そりゃぁ大ダメージだよ(笑)うちのNo.1とNo.2が同時に抜けるんだから(笑)」

「あぁ、頑張ってな…」


舞と雀のダンスも、いつもの警察官が現れてのダッシュで逃げる。で、本日も終了である。


舞と雀の二人は、閉じ込められていた地下室で、はじめのうちは泣きじゃくっていたが、毎日お互いを励ましあい、負ける事なく生活していた。板東鉄治氏の趣味で数日に一度小型エレベーターで各国のダンサーが記録されているビデオテープが届けられた。二人分の食事なども、この小型エレベーターが使われた。二人は罠にハマるかのように、そのビデオテープを楽しみにする様になり、毎日毎日何時間もダンスの真似事をしていた。

12年にも及ぶ永い監禁生活のなか、いつしか世界一の踊り子になりたいとまで思うようになっていた。


この[神谷みつる]の目に止まった事で、後に二人の運命が大きく変わる事になる。

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