第2部

第二部の登場人物紹介のようなもの

大塚祐樹おおつかゆうき

本作の主人公。男。

トラックに轢かれそうになった一人の少女を救い、代わりに事故に巻き込まれ命を落としてしまうが、なぜか二ノ宮優希として目覚める。失ってしまった生を得て嬉しい反面、優希の精神を押しのけて体を奪ってしまったのではと罪悪感を抱いている。家族としてやさしく接してくれていると理解しながらも、生前与えられたことのない温もりを感じ、優雫のことを家族以上の存在として見てしまいそうでいつもドギマギしている。


――二ノ宮家――


二ノ宮優希にのみやゆうき

祐樹の借り暮らし先の少女。優雫とは一卵性双生児で、家族以外は入れ替わっても気付かないほど瓜二つ。

あることがきっかけで祐樹の魂の入れ物となってしまう。引っ込み思案な祐樹が、生きていたら声をかけるのを躊躇うレベルだと比喩するほどの美少女。かと思いきや、借り暮らしをしている祐樹の精神まで侵食してしまうほど心に闇を抱え、人に触れられたり近付かれることを恐れる『対人恐怖症』を患っていた。祐樹は彼女が戻ってきた時のために、彼女の周りへの恐怖心を克服しようと奮闘するが、期限である一週間を過ぎた今でも、彼女の精神は返ってきていない。


二ノ宮優雫にのみやゆうな

優希の双子の姉。15歳。旧姓は御影。照月学園高等部一年。

優希が心を閉ざした直接的な原因を作った(と責任を感じている)少女。祐樹が中に入っている今も、そうとは知らずに唯一の肉親として接している。母である雪雫が亡くなる前に明夫と籍を入れたことで、優希とともに二ノ宮の姓を得た。

少し早く生まれたというだけだが『姉』であることを意識しており、頼れるお姉さんになろうと意気込んではいるが、優希の方がしっかりしているせいか甘えがち。小さい頃は病気がちで、あまり体力には自信が無い。自分が気を許した相手に対しては気兼ねなく接することが出来るが、他人に対しては非常に警戒心が強く、クラスでもあまり馴染めていない。


二ノ宮茜にのみやあかね

二ノ宮家の嫡男。明夫の実の息子であり、七夕の兄。17才。照月学園高等部三年。

明夫譲りの鋭い目つきで見るものを威嚇するような立ち居振る舞いをしているが、ジャ○ーズ並のルックスとタッパがあるため女子からの人気がかなり高く、様付けで呼ばれているが、当の茜はそれを嫌がっている。不愛想ながらも優希たちの前ではどこかしおらしい一面があり、祐樹からはそれを面白がってからかわれて動揺することもしばしば。幼い頃から空手、中高ではサッカーをやっていたが、今は受験に向けて一日のほとんどを勉強に費やしており、常に成績首位争いに名を連ねている。


二ノ宮七夕にのみやなゆ

明夫の娘。13歳。照月学園中等部二年。

一年前まではツインテールで女の子らしい容姿だったが、今はボーイッシュな短髪。しかし中性的な顔立ちをしているためか、祐樹が初めて見た時に男の子と勘違いをしてしまう。生まれて間もない頃には母親に死別されているため、女性親の感覚が解らないために、二ノ宮家へやってきた優雫や優希をそれぞれ「なっちゃん」「のぞみん」と呼んで本当の家族のように親しんでいる。幼い頃から家事全般を担当しているため、家庭内カーストは最上位だったりする。料理の腕はぴか一。兄同様運動神経が良く、成績も良いが、家の中では明夫や茜の目を気にすることなくだらしない格好で過ごしていることが多い。


二ノ宮明夫にのみやあきお

茜と七夕の父。優希と優雫の義父。弁護士。42歳。

婚約を誓った直後に雪雫を事故で失い、雪雫の娘である優希と優雫を自分の娘として育てることを決意する。弁護士でありながら、並外れた情報収集能力と行動力があることから、弁護士探偵などと呼ばれており、彼が請け負った弁護は刑事・民事問わずすべて勝訴を納めているという。例の事件では優希の無罪を証明した張本人であり、真犯人である新田誠治の逮捕に貢献した。趣味は筋トレとガーデニング。




<照月学園関係者>

――1-Aのクラスメイトたち――


茅ヶ崎綾乃ちがさきあやの

優希のクラスメイトであり、中学時代からの同級生。

優希が記憶を失くしたことを知り、学校にいる間、優希をすぐそばで支え見守り続けた良き理解者。しかし中学時代に一度優希のことを裏切っており、それが発覚したことで絶縁宣言されるが「私には優希しかいない」と立ち上がり、身を投げようとしていた祐樹を説得し、踏み止まらせた。

クラスの女子で一番背が高く、長い黒髪とスタイルの良さが特徴で、祐樹曰く

優希に絶対の信頼を置いており、かなり懐いている。男を前にすると罵詈雑言を浴びせ、冷静さを欠くほど毛嫌いする一面があるが、クラスメイトの男子からは「それが逆にイイ」らしく、密かな人気を得ていたり。

彼女が入院中、両親が一切見舞いに来なかったことから複雑な家庭環境であることが窺えるが、本人はそれを話そうとはしない。



川越美沙かわごえみさ

優希のクラスメイト。被服部。

川越ズ(祐樹命名)の中心人物。常にオーバーリアクションで、暗い顔をしている人を放っておけないタイプ。『自分の衝動に正直に生きる』のがモットー。いつも一緒にいる中田敦子とは中学からの付き合い。可愛い物(子)が大好きで、以前よりも優希に対するスキンシップが増えて祐樹は少し困惑している。

愛称は「みさりん」(と呼んでほしがっている)。


中田敦子なかたあつこ

優希のクラスメイト。被服部。

川越とは中学からの付き合いで、いつも一緒にいる。ノリが良い(川越の扱いが上手)ということを除けば寡黙で読書好きの物静かな女子で、川越とは正反対の性格をしている。普段はですます口調だが、ふざけるときはとことんはっちゃける。

愛称は「あっちゃん」。


笹瀬茉利奈ささせまりな

優希のクラスメイト。

日本人離れした顔立ちで、喋り方が少しぎこちない。第1部では川越や中田の言葉に掛け声を合わせることしかしていなかった。独自の世界観を持っており、友達ができずに一人ぼっちでいたところを川越に声をかけられ、それから一緒にいるようになった。喜怒哀楽を表情で一切表さないが、その代わりに大袈裟なボディリアクションで感情表現をする。


赤城由利あかぎゆり

優希のクラスメイト。

赤城財閥の令嬢。取り巻きの二人――未来みく愛美まなみと供に優希に対して嫌がらせを行っていたが、現在は罪悪感から改心して優希の様に良い子になろうと努力している。


天羽蓮あまはれん

優希のクラスメイト。

優希の隣の席だが、入学式からほとんど教室には顔を見せていない。噂では隣町の高校生と喧嘩の日々を送っているらしいが……?


八月朔日未来ほずみみく

赤城の取り巻き。


勘解由小路愛美かでのこうじまなみ

赤城の取り巻き。


生田いくた

出席番号二番の男子生徒。


――1-Cのクラスメイトたち――

鏡紗乃かがみすずの

天羽蓮に絡まれているところを優希に助けてもらった男子生徒。眼鏡をかけた目元まで前髪が伸びているため、クラスメイトからは陰湿で陰気な性格だと思われている。


――1-Hのクラスメイトたち――

時合莉彩ときあいりさ

優雫のクラスメイト。Hクラス委員長。

家族以外で綾乃を除き、唯一優希と優雫の違いに気付いた鋭い洞察力の持ち主。一見飄々とした態度でいるが誰よりも常識人であり、誰にでも対等に接するHクラスの良きリーダー。


蜂須賀雛はちすかひな

優雫のクラスメイト。

常に優雫の近くにいる、親鳥を追いかけるひよこのような娘。

仇名は「ぴーちゃん」。



――その他の生徒――

石動有紀いするぎゆうき

今ネットで男性から密かな人気を集めているというネットアイドル。噂では照月学園の生徒らしいが、その姿を見たものは誰も居ない。


――教職員――

安西あんざい

Aクラスの担任。34歳。担当教科は数学。

某バスケ部顧問と同じ姓であることから生徒からからかわれ、本人もそれをネタにクサイ台詞を吐いたりする。ザイセンという愛称で生徒の間からは親しまれている。メガネ。



星野華美ほしのはなみ

養護教諭。担当教科は保険。

ほぼ保健室に常駐している。色々と謎が多いが、コーヒーが好き。


大阪おおさか

照月学園一学年主任兼生活指導。四七歳。

ハゲ坂爺さんという愛称で呼ばれているが、怒ると怖いという理由で本人の前では誰も呼ばない。実際は悪いことをしなければ怒ることはない温厚な性格の持ち主。



<喫茶にゃんぱらりんの従業員>

島袋靖永しまぶくろやすなが

にゃんぱらりんのオーナー。明夫とは小学校からの幼馴染。

恰幅がよく、眼鏡と帽子、チェック柄のシャツという最初期の『オタク』を彷彿とさせる恰好をしている。優希が一五歳を迎える年のクリスマスに優希に営業を手伝ってもらった経歴があることから、再度秋葉原で開店した喫茶店の従業員として迎え入れた。普段はふざけているが、営業マンとしてはかなりのやり手。時折明夫の良き参謀として協力することもある。


こずえ

にゃんぱらりんのチーフマネージャー。年齢不詳。経歴不明。

島袋の経営を陰から支える女性。柔らかい物腰で笑顔の絶えない人だが、怒ると……


<その他>

御影雪雫みかげせつな二ノ宮雪雫にのみやせつな

三二歳という若さで事故死してしまった優希と優雫の母。明夫と籍を入れた直後の出来事だったため、二ノ宮雪雫としての名前が刻まれているのは墓碑だけで、多くの人の記憶には御影雪雫として残っている。


山田妙子やまだたえこ

大塚祐樹の養母。祐樹が昏睡状態から目を覚ましたのと時を同じくして亡くなった。


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