終末のソナタ。

人々は、まだ知らない。
彼らが過ごしているのは、現代という時ではないのだと。
彼と彼女は、知っている。
自らの体に刻まれた、禍々しき刻印の意味を。
過去と未来の交錯する時間は、酷くゆっくりと、けれど忙しなく動いていく。
現代という時間を失ったその世界で、彼や彼女達が探し求め、けれど得ることが叶わなかった現実とはーーー

守るべきものを探し、失うべきものを求める彼の背中を追って、世界は何を語るのか。

残酷な社会に対するアンチテーゼが、ここに幕をあける。