花言葉に誓いをこめて

***

「どうしておはなをみるとやさしいきもちになったり、うれしくなったりするの?おかあさん」

透き通る金色の髪の少女は緑の瞳を隣で窓を見つめている女性に向けて、小首をかしげた。隣にいた女性ーお母さんと呼ばれた彼女ーは少女の髪色と同じ色の瞳を緩め、優しく微笑んだ。

「それはね、花言葉の魔法よ。」


「はな、ことば?」


「えぇ。お花はね、言葉を持っているの。その言葉を正しく使うと魔法みたいに使えるようになるのよ」

優しく歌うように紡がれた母の言葉に少女は瞳をキラキラと輝かせた。


古くから伝わるという花の術。その時から彼女は母親に丁寧に教えてもらい始めた。


そして母親は娘に自分の持つ“花ノ術”を全て授けた一月後。


……彼女は花香る彼方へと飛び立った。



***




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

花言葉に誓って〜騎士と姫と、ときどき王子〜 早月 琴 @vega_KOTO

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ