人々は元来、自然と助け合いながら生活していた。中でも花の持つ“言葉”を使って心を癒し、静め、時には高揚させ、薬効を使って傷を治していた。

そしていつしか、それは“花ノ術”として確立した学問となり、そして“花ノ術”を扱える者を“花ノ術使”あるいは“花使”と呼ぶようになった。


***

ここは、かつて花ノ術使たちが集い、治めていた国ブルームサクラメントがあったと言い伝えられている地。

今この地には3つの国が建国されている。

中央を流れる大河の源流がある北部一帯に広がるのは”輝水の都”ことアクアリトア君国。

そこから山を挟んだ南東の山岳部に位置するのはブレジリアン帝国。

そして、南西の平地に広がるフローランタ王国。

三者三様のこれらの国は時には同盟を組み、時には剣を交え、互いに関わりあって過ごしてきた。

……現代にいたるまで……



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