第5話 有名配信者
ダンジョンに潜ってから数時間が経っただろうか。
俺はゴブリンやスライムといったモンスターを何体か倒しながら、ダンジョンの奥へと進んでいた。
すると突然大きな音と悲鳴が聞こえてくる。
「グァァァァァァァァァ」
この音の仕方的におそらく変異モンスターだろう。
変異モンスターとは、通常モンスターが突然変異を起こしているモンスターの事であり、変異をしたモンスターのレベルはとても高くなると言われている。
普通の雑魚魔物とは違い、特殊攻撃をしてくるので注意が必要だとダンチューブで言っていた。
普通はダンジョンに変異モンスターが出たら逃げるべきだ。
それに俺の剣も耐久値がもう残り少ない。
数回攻撃が出来るかどうかぐらいだろう。
俺はこの場から離れようとした瞬間、奥から女性の声が聞こえてくる。
この叫び声は本気で助けを求めている声だ。
まずい、迷っている時間なんてない。
俺はそう思い、急いでダンジョンの奥に進むのだった。
「た、助けて」
「グァァァァァァァ!」
俺が来た時には、既に彼女はボロボロで、変異モンスターに殺されかけていた。
その子は俺と同い年ぐらいで、水色のロングヘアーが特徴的である。
そしてその彼女を、俺はダンチューブで見たことがある。
有名配信者であり、ダンジョンに潜って配信しているという子だった。
登録者は100万人いてかなり有名な子だ。
そんな子が今、俺の前で殺されそうになっている。
俺はそんな光景を見て助けないなんて選択肢は存在しなかった。
やってやろうと思うが、俺の前にいる変異モンスターはドラゴンだ。
正直ドラゴンは変異モンスターの中で上位に食い込んでしまうぐらい強いモンスターだ。
俺が上位ランクにいる変異モンスターに勝てるはずがない。
だが、やらなければ彼女が死ぬだけだ。
俺は心の中で念じて、《熟練度99%》を発動する。
「俺が時間を稼いでやる。だから君は逃げるんだ」
「だ、誰!?」
「俺は今日初めてダンジョンに入った初心者だ! 少ししか時間が稼げないから早く逃げろ」
俺は声が裏返りながらもそう返答した。
本当は逃げたいに決まっている。
だが彼女と俺が協力しても絶対に死ぬだけだ。
なら彼女には早く逃げてもらえるように俺は時間稼ぎでもする。
それが最善の考えなのだ。
俺が決意を固めていると、彼女は口を開く。
「そ、そんなの駄目に決まってるでしょ! 初心者だと流石に相手はドラゴンだから死んじゃうわ!」
そんな事を言われても、戦って勝てるはずがないのだ。
しかし彼女は諦めた様子を見せるどころか、すぐに立ち上がり再びドラゴンに向かう。
「わ、分かった、二人で協力してこいつを倒そう」
俺がそう言うと彼女は少し驚いたが、その後少し頷く。
そして俺らはドラゴンの方に視点を戻すと、ドラゴンは俺たちに攻撃する体制になっていた。
俺は距離を詰めて、《フラッシュ》を発動する。
少しだがドラゴンの皮膚に傷を付けること成功する。
だがやはりレベル1の剣では皮膚を深く切る事は難しいらしい。
このまま深く突き刺したら俺の剣は破壊されるだろう。
それは少し面倒だと思ったので、俺はバックステップでその場から後退する。
「す、凄い、レベル1の剣でドラゴンの皮膚に傷を付けられるなんて、それに剣技も達人みたい」
俺はそんな彼女の驚きの声を耳に入れながら俺はドラゴンと対峙するのだった。
―――
これからも更新頻度あげていきますので、何卒、★とフォローをお願いしますm(__)m
あなたの★、そしてフォローがめちゃめちゃ励みになります!
※目次ページの「フォローする」ボタンを押せばフォローすることごできます。
※また★は、ページ下部にある星マークから行えます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます