第4話 睡眠
その
サラさんは、
彼女は、お風呂からあがった僕の存在に気がつき、口を開ける。
「ああ、ナオキさん。お風呂は、どうでしたか?」
「おかげさまで、
「いきなり
「そうですね。まだ、この世界のことについても、分からないことだらけですし」
「何か
「ありがとうございます。……ところで、なんですが」
「はい、何でしょうか?」
「サラさんは今、何をされているんですか?」
彼女は、
「ちょっとした、
「…………」
それと
「何か、僕に
「
「…………」
その言葉は、
気を使っているのでは? と
彼女は、部屋の
「お
「……本当に。手伝えることは、何もありませんか?」
「
「……分かりました。では、お
「お気になさらず」
「…………」
「おやすみなさい。よい
「……おやすみなさい」
サラさんは、僕が布団に入ったことを確認すると、リビングの
そして、
まるで、
そんなワーカホリックの
僕の
――私も、すぐに寝ますので。
彼女の言葉を、とりあえずは
僕は布団の中で、別のことについて、考えを
それは、ここが夢と現実のどちらに当てはまるのか――というものだった。
学校で
現実と
しかし、100パーセント夢であるとも言い切れない。
地球は、上を
そういうことを考えれば、
サラさんは、僕がこの世界に
それはつまり、この世界には僕以外にも
日本では、
ではもしも、その行方不明者のうちの何人かが、僕と同じように異世界に迷い込んでいたとしたら……。
「…………」
そんなことを
そして、そこまで考えて――、
――いや。どうせ今そんなことを
そんな、
これが夢ならば、いつか現実で目を覚ます。
ただ、それだけの話ではある。
もう、今日は寝よう。
――そして、気づけば
僕は、
「……あれ? サラさんは?」
しわの無い布団のみがある。
机の方を、確認した。
「……仕事して、
サラさんは、机の上に
僕は、こうつぶやいていた。
「
机まで足を
「サラさん、朝ですよ」
彼女は、ゆっくりと目を開けた。
顔を上げ、言葉を
「ナオキさん、おはようございます……」
「おはようございます、サラさん」
彼女は、
「
「いえ。それよりも……」
「それよりも?」
首をかしげる彼女に、僕は言った。
「しっかりと、寝れましたか?」
「はい、
まあ、
机の上の書類は、
しかし、嘘ですよね、なんて言葉もかけづらい。だから、
「僕は、
「は、はい……?」
少し、
僕は、口を開けた。
「仕事よりも睡眠の方が、1000倍くらい
彼女は、目を見開いた。
その
「そう言われたら、今日はたくさん寝るしかありませんね」
「はい、それが良いと思います」
そして、僕とサラさんは朝ごはんの
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