いつか朽ちても

「お嬢様、97回目のご命日おめでとうございます!」

 わっと血が飛び散るかのような華やぎ。ツギハギの家来達に壁の肖像画やゴースト達、屋敷中の皆が彼女を祝福している。

「じい! 踊りましょう」

 ぞっと凍り付くような曲に合わせて。大窓から射した月光が肋骨を通り過ぎて床に落ちる。

「私めでよろしいのですかな?」

「そうよ! 朝までよ」

 呼吸の仕方はとうに忘れた。時から解放され月に祝福されたこの体は、疲れることを知らない。

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