決闘をする姫君③

アンデット系の魔物の弱点は光属性の魔法。


なので、光属性の魔法を剣に付与すれば、スペクターを切れると思ったんですけど......こんなにも上手くいくとは思いませんでした。


そう思いながら、スペクターに向かう私。


そして


「はぁっ!!」


私は、スペクターの腕に切断するのでした。


「やったぁ!!片腕を切り落としましたわ!!」


喜びながら、そう言う私。

一方、デイジーさんの方はというと


「何なんだ.....何なんだお前は!?」


怒りで染まった顔で、そう叫んでいた。


あ、そういえば自己紹介をしていませんでしたね。


「私?私はシャルル・ピア・パヴァロア。パヴァロアの王国の元王女です」


私がそう言うと、デイジーさんの顔は更に真っ赤になり


「ふざけるな!!」


そう叫ぶのと同時に、スペクターは咆哮を上げ、私に襲いかかってくるのでした。


「「「ルルー!!」」」

「大丈夫です!!」


そう言った後、私は剣で攻撃を防御した後.....【マジックイーター】で溜め込んだ魔力を光の魔法に変化させ、剣に纏わせると、それをスペクターに向けて振り下ろした。


その瞬間、スペクターの体はバラバラになり


「ォォォォォ.......」


消滅していくのだった。


「ふぅ.......」


何とか倒せましたわね......


「う、嘘でしょ!?スペクターは上位ゴーストのはずなのに.......何故、何故なの!?」


スペクターが倒されたことが信じられないのか、ブツブツとそう呟くデイジーさん。


そして、私の方を見つめると


「.......こうなったら」


手のひらを向け、何かをしようと企んだ......ですけども


「そこまでだ」


と言う声が聞こえ、声のした方を振り向くと


「魔王様!!」


そこには、魔王様がいたのでした。


「デイジーよ。お前の気持ちはよく分かる。よく分かるが.......お前のスペクターを奴が倒した時点で、すでに勝敗は決している。」

「くっ.....」


魔王様の言葉に対し、悔しそうに呟くデイジーさん。


「それに.....俺が彼女を四天王にしたのは、強い力を持っているからではない」

「......というと?」

「シャルル.....いや、ルルーは状況を把握する能力や臨機応変する能力に長けている。上に立つものならば、この二つは無くてはならないモノ。故に、俺は彼女を四天王にした。それだけだ」


魔王様がそう言うと、デイジーさんはハッとしたのか


「.......そうか。私に足りなかったのは、その力だったのか」


自嘲気味の笑顔を浮かべながら、そう言った。


「いえ、デイジーさんはとても強い方だと思いますよ」

「.......それは嫌味なの?」

「いえ、単純な褒め言葉です」


私がそう言うと、デイジーさんはフッと笑うと


「.....なるほど、どうりで勝てないわけだ」


私に向け、そう呟いた。

かくして、決闘に勝利した私なのだった。

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