四天王となった姫君

さて、私が四天王の一員となった次の日


「初めまして。今日から四天王の一人となった、シャルル・ピア・パヴァロアです。どうぞよろしくお願いします」

「「「は?」」」


私は、他の四天王の前にて、自己紹介をしていた。


「ねぇドラド。何で人間が四天王を名乗っているわけぇ?」

「仕方がないだろう、この女に四天王になるように命じたのは魔王様なのだから」

「そっかぁ、なら仕方ないねぇ」


納得したように、そう呟く女の魔族。


この人.....中々色っぽいですね。


「あ、自己紹介がまだだったねぇ。アタシはマンドレイ。翠のマンドレイよぉ」


翠のマンドレイ......あぁ、確か、植物系の魔族の頂点に君臨する人でしたっけ?


「でぇ、こっちにいるのが碧のライカ、種族は獣人だよぉ」


そう言った後、ペコリと頭を下げるライカさん。


......真面目ですねぇ。


「初めまして、僕はライカ。よろしくお願いします」


そう言った後、私と握手をするライカさん。


「てっきり、私の四天王就任を反対されるのかと思ってました」


私がそう言うと、マンドレイさんはニッコリと笑い


「今はぁ、人間が人間を恨むのが当たり前な時代。だからこそぉ、人間が魔王軍に入って来てもおかしくはないわよぉ」


と言った。


「あ、確かにそうですね」

「それに、人間は時に魔族以上に残虐な行いをしますしね」


ウンウンと頷きながら、そう言うライカさん。


「敵の敵は味方......なるほど、魔王様はそこまで考えて彼女を採用したのか」


何かを考えながら、そう言うドラドさん。


.....ドラドさんもドラドさんで、真面目ですね。


「ところでぇ、これからシャルルちゃんのことをなんて呼べばいいのぉ?」


私の呼び名......


「とりあえず、ルルーでお願いします」

「ルルーねぇ。了解〜」


ニパッと笑った後、そう言うマンドレイさん。


......魔王様の時もそうでしたけど、魔族の人の中にも、良い人はいるのですね。


「それはそうとして、まずはルルーの装備品のことを考えないとな」

「え!?私に装備品を与えてくれるのですか!?」

「むしろ、何故与えられないと思った?」


呆れながら、そう言うドラドさん。


「アハハ!!ルルーちゃんって面白いわねぇ」

「これで、何とかスヴァルドの後釜が決まりましたね」


私の様子を見ながら、マンドレイさんとライカさんがそう言った時


「待て!!」


と言う声が聞こえ、その声の方を振り向くと.......そこには、ツギハギだらけの少女がいた。


「人間が四天王になるなんて、そんなの絶対に認めない!!私と勝負しなさい!!」

「え?」


これは.....新しい戦いの予感がしますわ!!

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