いきなり昇格した姫君

「本気ですか!?」


魔王様の言葉に対し、驚いた様子でそう言うドラドさん。


そんなドラドさんに対し


「俺はいつでも本気だ」


魔王様はニッと笑いながら、そう言った。


「彼女は強い。それは事実です。しかし....」

「人間である以上、反発は大きい.......ということか?」


なるほど、ドラドさんは私のことを気にしているのですね。


「ドラドさんって、優しいのですね」

「......別にお前を庇ったわけではない」


プイッとしながら、そう言うドラドさん。


素直じゃないですね〜


と、そんなことを思っていると


「それならば.......四天王として迎え入れるか」


魔王様は、爆弾発言をするのでした。


「まぁ!!」

「はぁぁぁぁぁ!?」


魔王様の言葉に対し、思わず、声を上げる私とドラドさん。


「魔王様!!いくら何でもそれは」

「彼女はお前に傷をつけた。それで十分じゃないか」

「ですが!!」


ドラドさんがそう言いかけた瞬間


「俺の決定に文句でもあるのか?」


魔王様は、とてつもない圧をかけ始めるのだった。


「い、いえ.....」


圧に屈したのか、そう呟くドラドさん。


「よし、決まりだな」


ニシシと笑いながら、そう言う魔王様。


「四天王の席に空席があったんですね」

「あぁ、勇者によって四天王の一人がやられてしまってな」


そういえば......私が攫われる前、四天王の一人である『黒のスヴァルド』を倒したのは、自分だと勇者様が自慢していましたっけ?


「その方は、どんな方だったのですか?」


私がそう尋ねると、魔王様はしばらく考えた後、こう言ったわ


「そうだな.....四天王の誰よりも部下思いで、誰よりも強かったアンデット.....だな」


つまり、めちゃくちゃ良い人ってことですね。


「そんな人を殺すなんて.......ますます勇者が嫌いになりました」

「お前、勇者が嫌いだったのか?」

「えぇ、だって自分語りを延々としてくるんですもの」


私がそう言うと、魔王様は


「確かに、そういう輩は嫌いになって当然だな」


と、頷きながらそう言った。


「というわけで、このことはお前から伝えておいてくれ」

「は?」


魔王様がそう言うと、再び、声を漏らすドラドさん。


「.....それは魔王様が伝えた方が」

「嫌なのか?」

「ア、ハイ、ヤリマス」


魔王様の圧に対し、仕方なしにそう言うドラドさん。


...........それにしても、四天王ですか。


一体、どんな方達なのでしょうか?


そう思いながら、その日は終わるのでした。

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