第20話 買い物ついでに聴き込む。

第20話 買い物ついでに聴き込む。


異世界31日目 昼


 トラブルが起きた。

 キッチン付きの部屋を借りて、市場から油を買ってイカリングフライを作って、二人で食べていたら、ドンドンドンドン!と部屋の扉を叩く音。

 なんだ?

 騎士達がいた。勇者絡みの話なら戦闘してでも逃げようと話していた所だ。


騎士

「美味そうな匂いがした!領主様がお呼びだ!」


 はあ? この世界は、どうなっているのだ?

 美味そうな匂いで取り調べか? 


 まぁ行くか…。

 食材をもってこいと言われたので、氷詰めのイカBOXを作り、背負っていく。

 異世界召喚の事は黙っておくとして、対応しすことにした。


 この街の名はテーブル。そして、今、前にいるのはテーブル伯爵であり、かつて美食の街だったらしいが、昨今のモンスターの攻勢により男がいなくなり、住民の成人男性はみな徴兵されたという。

 そこで、男として目撃されていた事と、災害破壊モンスター ビッグサタニックゲッソーが討伐された事。そして、現場近くでオレが出て来た事でなんとなくわかっていたらしい。


 んん?

 ここで場合によるが、戦闘を考えないといけない。


 何かをオレに頼むのなら、オレがいた宿と言うか、借りていた小屋に来るだろう。


 だが、見た感じ糖尿病とかで動けない身体の状態とは思えない。ナツの反応も同じだな。

 つまり呼び出したということだ。つまりだな、頼むというよりは少なく見積もって自分の方が立場が上であり、命令を出して当たり前だという姿勢と、魔王を倒してくれませんか?とか懇願する気持ちもない!ということだ。


 うん。こいつから命がけの戦闘を含む要請とか頼み事は拒否だ。


 次に考えるのは、そうだな~商談だよな?

 対等取引なら、やるか?


 ナツにもその意思は伝わって、首を縦に振っている。


 こちらの姿勢は決まった。

 

テーブル伯爵

「教会が、クソバカ王国がまたやらかした事で動き出している。

 こちらにとっては、大迷惑だ。

 美味そうな食料を持っているみたいだな。ひきとってやろう。そして、そこの女もこの伯爵様が楽しみに使ってやろう。

 貴様を教会に差し出して、オレは侯爵だ。」


ナツ(聖女Ver.)

「御主人様、私はこんなクソ共を作るために、頑張ってきた覚えはない。だけど殺すといろいろうるさいから[掌握]で、まず黙らせて下さい。」


 まぁ、腹が立っていたからな~。

 できるかなぁ?と不安なのだが、やってみた!


テーブル伯爵

「お、や、やめろ!くえ!くぐきか、ちゃらねろぐべげー!


 ハイ、ゴシュジンサマ ゴメイレイヲ!」


騎士達

「き、貴様ら!くばねこだべぜー!


 ハイ ゴシュジンサマ!ゴメイレイヲ!」


 え~、騎士達を全員よべ!



異世界31日目 夜


【速報】テーブル街の政権がこっそりとかわる。表向きはテーブル伯爵(新)のまま。

 当面の税金を総収入の40%から25%の、生活可能性圏に引き下げに。


 あ~、つかれたな~。

 

ナツ(聖女Ver.)

「御主人様!お疲れさまです。しばらくはこの街を隠れ蓑に、活動しましょう。」


 うん、真っ黒な伯爵達。ぶっ殺してはいない。

 そして、安全装置だけはつけさせてもらった。

 街の状態を把握して、これからの政策を決めようか。


異世界32日目 朝


 朝早く冒険者ギルドの職員も[掌握]を終え情報漏洩対策もした。あとは商業ギルドも完了して、大縁 増田(おおべ ますた)ではなくて異世界人として活動を始める!というわけではなく、あの港街からきた行商人として活動を始める。

 

 ハイ!イカの加工食料の輸出です。

 国の首都では、食料難が始まっており国王はそれを乗り切るために、勇者を支援して魔王に矛先を向けさせようとする行動が始まっていた。


 そこに、30トンのイカの氷漬けがやってきたのだ。

 どう料理するかのサンプル付きだ。

 すぐに潤う王国だが、そこに邪魔者がやって来た。教会だ!

 

 しかし、国王は乗り気ではなかった。

 ピーチという王女がいるのだが、それが[予言]スキルを持っている。


 国王に、ピーチ王女ははっきりと言っていた。敵対すると王国が吹っ飛ぶ!

 だが、教会からの命令は無視できない。

 しかし、ピーチ王女は全面拒否しないと、王太子は処刑、姉である第一王女とかはほとんどが、死滅すると予言した。


 困った国王は、扱いが難しいので教会に任せる事にした。頭を抱えるピーチ王女。

 その日、ピーチ王女は第5王女から自己廃位すると勝手に発表して、平民として活動すると発表。

 かってに組まされたらしい、相手すらあってない婚約も破棄。

 そして、冒険者ギルド登録をして姿をくらました。


 いつも、[予言]に助けられていたのに、うるさいと言っていた王妃や王太子達は、喜んでいたが、国王はそれほどまでにヤバいのか?とうろたえる一方で、自分の浅い思考を笑うのか!と怒る国王は、いいことを思いつく。


 地元勇者パーティーの派遣だ。

 女神様が選んだ勇者だ!つまり女神様の代理人に処理をさせようとしたのだった。


 教会に騎士に地元勇者に狙われる事になった2人はどうなるのか?

 

 

     


 


 

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