第12話[幕間]事後報告が巻き起こす戦闘

第12 話[幕間]事後報告が巻き起こす戦闘


 時間は異世界勇者召喚の直後のころ。


 「やれやれ、まぁこれであの世界は壊れる運命から、なんとか抜け出せるだろう。」


 ここは、超次元の海を見下ろす天界の異世界管理者神間 移動管理事務所。

 簡単に言うと、異世界勇者召喚の正式な手続き所である。


 所長は、そのまま問題無しとしてハンコを押して天界の上層部に提出した。

 地球側の管理者達は抗議して来たのだが、その前にあの世界が崩壊する。損傷率95%だとして、説明した。納得してもらわないといけない。そんな状態だった。


 だが、地球側はそれとは違う反対をしており、そして我々説明を聞かずに上層部に直接訴えると言っていた。


 なにを考えているのやらと、自分の上司に地球側にゲンコツでも食らわせてやってくれと言った。

 

 そして、地球時間単位で1日後の事だった。

 上司にその日の報告をもって行ったが、いなかった。仕方なしに報告書のデーターをおいたのだが、次の日もそのままどころか職員が全員いない。総合受付に行くと「いやーー!」と言って走って逃げ出した。


 どういう事だ?


 次の日、天界職務怠慢取締り部がやって来た。

 「なぜあんな事をやった。」


 第一声がこれだった。腹が立ったので講義すると、報告書と書かれたファイルの門で叩かれて、副所長が吹っ飛んで行った。


 「なぜ、あんな事をした!」


 次は私だ。答えないと!

 だか、問題とされた異世界勇者召喚者の名簿を音読することになる。


「で?」


 で、と言われても。

 そして、指定された名前を読まされる。

 大縁 増田(おおべ ますた)ハァハァハァハァ流石に一億回もゆっくりと、大声で言わされて疲れる。


 そして、ついに報告書の角で叩かれた。

 目を覚ますと、上司達が全員いた。昔の所属していた派閥の部署や、今の派閥の部署全員だ。


 そして、私はまた読まされる事になった。

 大縁 増田(おおべ ますた)

 大縁(おおべ)??おおべ? あ!!

 あーーーーーーーーー!

 この集められた全員に共通する事!派閥が分裂する前の事件!

 だが、あれは、小さ過ぎる利益を約束させた事を対価に、処理されたはずだ。


 大縁 増田(おおべ ますた)今頃どうして?それにあれは地球時間だと1500年以上前の事。

 なぜ1人?国家予算と国家収入の半分をもらえって、あの当時の計算だと最低でも6000人の一族になっていたはずだ。

 あの封印の対価で殺された者がいても、普通見積もりで、300万人は子孫がいるはず。



 そして、監察室が出て来た!

 は?どういう事だ?

 既に、震度7の地震と共に、封印は崩壊したらしいな。

 そして、不正調査局も出てきて、報告された。


 なんだって!大縁 増田(おおべ ますた)しか生き残ってないだと!

 しかも、異世界勇者召喚禁止だと、あの怖すぎる強すぎる部署から、禁止命令だと。

 どおりで、監察が動くはずだ。


 何だと!朝廷は、予算の半分どころか1円玉すら支払ってないだと!


 それどころか、開墾した田畑も奪っているだと!

 まじかよ。約束不履行なのに、やりきったということは、契約の執行責任はこちらにあるということだ。

 まずい!まずい!


 裏切り者とかの、名前も既にリストアップされているな。コレはまずいぞ!本人が希望したら、実行しなかった者達の一族皆殺しの処罰をしないといけなくなる。


 そして、今回の事と関係が…あれ?そうだ!ボスがいない!旧派閥のボスが!


 調査部が、平成元年位の国家予算平均を出してきて、だいたい60兆円の半分だから30兆。

 それの1551年分だから、利息計算抜きで4京6530兆は払わないといけないと言い出したのだ。

 最低金額を出すのではなく、最高金額の補填をしないといけないのも天界ルールだ。


 実際はもっと増えるだろう。どうやって払うのか?金額がでて、政府が払わなかったら滅ぼさないといけない。

 その時の朝廷の封印の契約の仲立ちをした、ボスがその功績で中層部に昇進して、今の派閥模様になったのだが、肝心な旧ボスがいない。


 その事に、私の部下も気がつき出した。

 それだけでないと、調査部がいう。

 封印の契約により発生する苦しい生活を乗り切るために、サポート契約をしていた奴らが全員裏切って、開墾した田畑などを奪っているのを試算すると、最低でも東京都、神奈川県、埼玉県、群馬県の居住地域を超えて、プラス新潟県分はあるという。


 どれだけ、裏切って搾取しやがった!

 まずいぞ!返せって言われたら、たとえビルがあろうとも指定した所を全て更地にして、渡さないといけない。

 反対したら皆殺しにしないと。

 なんて事をやってくれたのだ。

 

 なぜ、そのことを知っているはずの旧ボスが、出てこない?

 確か、今回の異世界勇者召喚の候補を決めたのと、実行命令をしたのは旧ボスだったよな?

 

 

 大変です! 動き出しました!


 旧ボスが、タコ殴りなってつれていかれたという。

 あの恐怖の部署によって。その場の全員震えだした。監察官も震えだしていたのを見て、もうなんともならないと、泣くしかなかった。



 地獄のうちの一つ


 旧ボス?

「ち、違う!まさか、まさか、報酬を朝廷が渡していなかったという愚行を知らんかった。

 異世界勇者召喚に組み込んだのは、千年以上耐えて鍛えられた遺伝する魂の持つ者であり、特殊なスキルがいる、今回の魔王共の討伐に必要だから、召喚者リストに入れたのだ!

 私は、間違ってない!

 ギヤーーーー!」


 今から30時間、黙って殴られます。


 旧ボス?(瀕死)

「あ、あう、あうあうあうあうあうあう!

 それは、痛みによって治すペインヒールポーション!やめてくれーー!

 ギヤーーーー!」


 徹底的にかけられて、気絶すら出来ません。


 旧ボス?

「まさか、その!異世界勇者召喚禁止者になっているとは、思わなかった。

 だって、あれは国家存亡を助けた者とかの功績者が、候補だろ!

 あなた達と対立するつもりは無いが、上層部に連絡させてもらった。

 (早く、上層部はコイツラを止めてくれよ…え?いた?俺様の隣に、ずっといたの?は?)」


天界上層部の職員 

「困った事をしてくれたな。こいつは派閥の元ボスをやっていたが、ここまでひどくなったとは。」


 「おい!貴様ら、黙っておけと言われたから、聞いていたが!大王様の御前で口が過ぎるぞ!このボケ共!」


 ボカス!ボカス!ボカス!ボカス!ボカス!ボカス!ボカス!ボカス!

 3時間金棒で殴られて、瀕死になるが激痛ポーションで無理矢理治らさせられます。


大王様

「おい! どうやって報酬を払わせる?どうやって謝罪する?一言だけで全て終わりとかふざけた事をすると、貴様らも一言で終わらせるぞ!それに、異世界勇者召喚をしたということは、クエスト発注だな?大縁 増田(おおべ ますた)に対する報酬は?報酬すら出さないつもりか?」


元旧ボス

「そ、それは、我々の命令を黙ってこなすのが、ギヤーー!」


 ついに電撃がきて、灰になった中ボス。


元旧ボス

「あの世界の事は、あの世界のモノで報酬を出さないと。」


大王

「謝罪もな~。このままだと、貴様らはサギ集団だ。」


 と、大王が手をクイッと動かすと、絶叫しながら旧ボスが復活する。


旧ボス

「あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう!

 あの世界を報酬にくれてやりますよ!あの者無しでは、あの世界はもう助からない!99.9999%助からない!残りの可能性は自爆のみ。」


 大縁 増田(おおべ ますた)という、主人公の知らないところで、報酬やら決まっていく。


 そして、その傍ら世界の担当管理者達が、縛られて転がっていた。


大王 

「さてお前達も、昔の担当時代に封印に関わっていたよな?

 どうするつもりだ!」



 さぁ、やりたい放題してきたのは、もう終わりだ!

 利益ばっかり吸っていた奴らが恐怖しないといけない時間がはじまる。


 

 

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