第7話 戦争

 戦争


 雲のない青空の下、一面の草原が広がっている。吹き抜ける風は強く、大きな波を形成していた。

 そんな草原に影を作り、大きな物体が飛行している。

 戦略軍機兵器FWB。通称はウォーク。不気味に黒光りするウォークは、一辺が二メートルの立方体で、前方だけが半円に凹んだ形をしていた。上面には直径二メートルのプロペラがあり、空気を切る大きな音を立てながら高速で回転している。地上十メートルの高さを浮遊しながら時速五キロメートルというゆったりとした速度で西方の敵地に向けて移動していた。

 と思ったら、急に移動速度を緩めてその場でホバリング。次の瞬間、プロペラの回転が緩やかなものとなり、自重によって真下に降下していくではないか。

 ウォークは落ちていく。

 そこにある敵地に向かって。

 そこにいる敵軍のウォークに向けて。

 激突!

 刹那、空間には巨大な轟音とともに一つの大きな爆発が起きていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

戦争の製造現場 @miumiumiumiu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ