そうして、いつも、「お前がお前であることのアリバイ」の刻印が、スティグマが、耳元でがなり立てていた。


 人生とは何か?私とは何か?…その問いですら、私は未だ設問やらその意味やらを検討しかけているような段階で、これから答えを探り作っていこうとしている矢先だったし。だれもがそうなのが、青春時代というもののの常だろう。


 「お前は…だ!」すべてを踏みにじりつつ、冷酷な声は自信満々に宣言して、絶対に熄まなかった。


 四六時中頭の中に居座って、無理矢理に「私は…だ!」という虚妄を牽強付会しようとするのだ。


 キチガイ沙汰で、常識も、法律も、逸脱しつつ、

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誕生日 夢美瑠瑠 @joeyasushi

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