概要
この宿縁にしてこの呪(しゅ)。受け入れる覚悟は、あるか。
皇帝の突然の崩御によって、国宝である護(まも)り刀の力が失われてしまった、皇雅国(こうがのくに)。結界を失い、『あやかし』に村ごと喰われ天涯孤独の身となった沙夜(さよ)は、祖母の遺言に「後宮へ」とあったことで、皇都へ向かうことを決意する。番犬の玖狼(くろう)と共になんとか皇都にたどり着いたものの、町役人に門前払いされた沙夜を、偶然通りかかった愚闇(ぐあん)という忍びが助ける。彼いわく、沙夜の持つ『紹介状』には、なぜか『皇太后』の名前があるらしいのだ。なんとか遺言通り後宮に入ることに成功した沙夜だったが、そこには国が滅ぶ危機だというのに権謀術数が渦巻いていた。腹違いの第一皇子と第二皇子の、熾烈な後継争い。人を喰らう『あやかし』と、盟約を結び力を貸すという『もののけ』たち。国宝を無事取り戻すのは