詩  「一つの貝」

@aono-haiji

第1話 詩  「一つの貝」


一つの貝が教えてくれた


わたしが過ごしてきた宇宙は

かたむいて

どこかへ どこかへ 落ちてゆく

紺碧の 銀盤だった


宇宙とともにいることは

見失った自分と 宇宙の紐が

いちばん初めにつながっていることを

教えられて


それは

ぞっとするほど

痛かった


始まりを思いだしたくなかった


誰もが思うことだけど


結局 わたしたちは

始まりの紐から のがれることはできない


つながれているのか

願われているのか


じゅくじゅくとめてしまった

熱い血の袋は

どんどん 愛ある答えから遠ざかる


それが

いま 

そこにある

さみしさだね


か さ  ん ………と 宇宙は割れる


帰る場所がないことは


いのちの さだめだよ


そこに


そこで


ひた



光れ

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